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業務用冷蔵庫を家庭で使うのはアリ?ナシ?メリットとデメリットを分析

業務用冷蔵庫を家庭で使うのはアリ?ナシ?メリットとデメリットを分析 ライフスタイル

業務用冷蔵庫は、飲食店やスーパーなどでよく見かける大型の冷蔵庫です。

一般家庭用の冷蔵庫と比べて、容量が大きく、温度管理が細かくできるなどの特徴があります。

しかし、業務用冷蔵庫を家庭で使うには、電気代や設置場所、メンテナンスなどの点で注意が必要です。

この記事では、業務用冷蔵庫を家庭で使うメリットとデメリットについて詳しく解説します。

また、業務用冷蔵庫を家庭で使う際の注意点やおすすめのシーンも紹介します。

1.業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違い

①電源

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の最も大きな違いは、電源の仕様です。一般家庭用冷蔵庫の電源は単相100Vですが、業務用冷蔵庫の場合は単相100Vと三相200Vの2つのタイプがあります。

それぞれ電源プラグの形も違ってきます。お店によっては三相200Vの電源を取るため工事が必要となるので要注意です。

単相100Vと三相200Vの違いは、電圧と電流の関係にあります。電圧が高いほど、同じ電力を得るために必要な電流が少なくなります。

逆に、電圧が低いほど、必要な電流が多くなります。電流が多いと、配線やコンセントに発熱や火災の危険が伴います。

そのため、大きな電力を消費する業務用冷蔵庫では、安全性や効率性のために三相200Vの電源を使用することが多いです。

②サイズ

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫のもう一つの違いは、サイズです。家庭用冷蔵庫は大容量でもせいぜい700Lまでですが、業務用冷蔵庫では1000~1600L以上の製品もあります。

また、形状によっては縦型・横型・プレハブ型などさまざまなバリエーションがあります。縦型は省スペースで食材を大量保存したい場合におすすめです。

横型は作業台として使うことができるコールドテーブルタイプや、大型食材を扱うセンターフリータイプなどがあります。

プレハブ型は室内全てを冷蔵庫・冷凍庫にできるタイプで、大規模な食品工場や倉庫などに向いています。

サイズを選ぶ際には、設置場所や搬入経路、食材の量や種類などを考慮する必要があります。また、排熱のためのスペースや排水設備も確保することに注意しましょう。

③構造

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の構造も異なります。業務用冷蔵庫は内装外装ステンレス製で衛生的で強度が高く、扉の開閉や重量物にも耐えられるように作られています。

また、内ポケットや製氷機などの機能は省かれており、シンプルで清掃しやすい設計になっています。

業務用冷蔵庫の冷却方式には、気化圧縮型と気化吸収型の2種類があります。

気化圧縮型は電気を使って冷媒を圧縮・膨張させて冷却する方式で、高い冷却効率と安定性を持ちます。

気化吸収型はガスや電気を使って冷媒を液体に吸収させて冷却する方式で、運転音が静かで霜取りが不要です。

日本ではほとんどの場合、電気冷蔵庫は気化圧縮型、ガス冷蔵庫は気化吸収型です。

④温度設定

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の温度設定も違います。家庭用冷蔵庫は一般的に、冷蔵室は4℃以下、冷凍室は-18℃程度に保つようになっています。

業務用冷蔵庫では、食品の種類や保存期間に応じて、より低い温度や細かい温度調節ができるようになっています。

例えば、生鮮食品や加工食品は-20℃~-30℃、アイスクリームやアイスキャンディーは-25℃~-35℃、魚介類や肉類は-40℃~-60℃などに設定することができます。

温度設定の方法は、製品によって異なりますが、一般的にはダイヤル式・スライド式・デジタル表示式の3種類があります。

ダイヤル式は「冷」設定にするか(または「強」)、大きい数字のほうに回すと温度が下がります。スライド式はスライダーを右に動かすと温度が下がります。

デジタル表示式は「温度」ボタンを押して上下の矢印ボタンで温度を調節します。

2.業務用冷蔵庫を家庭で使うメリット

業務用冷蔵庫を家庭で使うメリット

ここでは、業務用冷蔵庫を家庭で使うメリットについて詳しく紹介します。

①容量が大きい

業務用冷蔵庫の最大の特徴は、容量が大きいことです。

家庭用冷蔵庫の場合、大家族用の大型のものでも容量は500〜700リットルほどですが、業務用冷蔵庫の容量は、1000〜1500リットルほどまで厨房の大きさに合わせて選ぶことができます。

容量が大きいということは、以下のようなメリットがあります。

  • 大量の食材や飲料を保存できる。一度にたくさん買い物をしても入りきるし、食品ロスも減らせる。
  • 大きな食材や調理器具も収納できる。例えば、丸ごとの鶏肉や豚肉、大きな鍋やボウルなども入れられる。
  • 仕切りや棚を自由に調整できる。自分の好みや使いやすさに合わせて、冷蔵庫内をカスタマイズできる。

②さまざまな機能が搭載されている

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりもさまざまな機能が搭載されています。

例えば、以下のような機能があります。

  • デジタル温度表示。温度設定や温度変化を数値で確認できる。
  • ブラストチラー・フリーザー。急速に食材を冷却・凍結できる。食品の鮮度や品質を保ちやすく、衛生的に保存できる。
  • 解凍保冷庫。解凍温度を高鮮度に制御し、高品質な解凍を実現できる。解凍時間や手間を省くことができる。
  • 恒温高湿庫。温度と湿度を一定に保つことができる。パンやケーキなどの製菓製パンに適している。

③耐久性が高い

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりも耐久性が高いです。これは、以下のような理由があります。

  • ステンレス製で錆びにくい。また、傷や汚れにも強い。
  • 内部構造がシンプルで修理しやすい。部品交換も容易である。
  • 高性能なコンプレッサーやファンモーターを採用している。長時間の連続運転にも耐えられる。

3.業務用冷蔵庫を家庭で使うデメリット

業務用冷蔵庫を家庭で使うデメリット

ここでは、業務用冷蔵庫を家庭で使うデメリットについて説明します。

①価格が高い

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫と比べて価格が高いです。 一般的に、業務用冷蔵庫の価格は数十万円から数百万円となっています。

家庭用冷蔵庫は、数万円から十数万円程度で購入できます。 業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりも高性能な分、コストがかかっているのです。

家庭で必要以上に大きな冷蔵庫を購入すると、予算が圧迫される可能性があります。

②設置に手間がかかる

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫と比べて設置に手間がかかります。

まず、業務用冷蔵庫はサイズが大きいため、搬入する際にドアや階段などの寸法を確認する必要があります。 また、電源や排水などの工事も必要になる場合があります。

業務用冷蔵庫は、単相100Vの3ピンコンセントを使用するものが多いですが、家庭用コンセントとは形状が異なるため、変換アダプターを使用するか、電気工事士に依頼してコンセントを増設する必要があります。

また、排水管にドレインホースを接続するためには、配管工事や穴あけ工事なども必要になります。 これらの工事は専門的な知識や技術が必要なため、自分で行うことは難しいです。

業者に依頼すると費用もかかりますし、工事期間も長くなる可能性があります。

③電気代が高い

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫と比べて電気代が高くなります。 業務用冷蔵庫の年間消費電力は約300kWhから1500kWh程度となっています。

家庭用冷蔵庫の年間消費電力は約200kWhから500kWh程度です。 1kWhあたりの電気料金を27円と仮定すると、業務用冷蔵庫の年間電気代は約8000円から40,000円程度となります。

家庭用冷蔵庫の年間電気代は約5000円から13,000円程度です。

業務用冷蔵庫は容量や温度設定によって消費電力が変わりますが、一般的には家庭用冷蔵庫よりも電気代が高くなると考えられます。

④騒音や振動が気になる場合がある

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫と比べて騒音や振動が気になる場合があります。

業務用冷蔵庫は、コンプレッサーというポンプのような部品で冷媒を循環させています。

コンプレッサーは、冷蔵庫の温度に応じて自動的にON/OFFしますが、その際に振動や音を発します。

この振動や音は、冷蔵庫本体だけでなく、床や壁に伝わって周囲に響くことがあります。

騒音や振動を抑えるためには、以下の対策を行うことができます。

  • 冷蔵庫の水平調整を行う
  • 冷蔵庫と壁や他の物との間に十分なスペースを確保する
  • 冷蔵庫の下や側面に防振ゴムや制振シートを敷く
  • 冷蔵庫の内部に異物がないか確認する
  • 冷蔵庫の扉をしっかりと閉める

4.業務用冷蔵庫を家庭で使う際の注意点

業務用冷蔵庫を家庭で使う際の注意点

業務用冷蔵庫を家庭で使う場合には、以下のような注意点があります。

①設置スペースを十分に確保する

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりも大きく重いので、設置する場所に十分なスペースが必要です。

特に、冷蔵庫の上部や左右には放熱スペースと呼ばれる空間を確保しなければなりません。

放熱スペースが不足すると、冷蔵庫の熱が外に逃げられず、冷却機能が低下したり、電気代が高くなったりする可能性があります。

放熱スペースの必要な大きさは、冷蔵庫のタイプやメーカーによって異なりますが、一般的には上部に30cm以上、左右に2cm以上、背面に5cm以上のスペースを確保することが推奨されています。

また、冷蔵庫を設置する場所は、日陰で熱気の当たらない風通しの良い場所を選ぶことが望ましいです。

直射日光や炉端などの熱源に近い場所に置くと、冷蔵庫の温度調節が難しくなり、故障の原因となることがあります。冷蔵庫を置く床は水平であることも重要です。

傾いていると扉の開閉やパッキン(扉の周りにあるゴム)の密閉性に影響を与えることがあります。

②排水工事や電気工事が必要になる場合がある

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫と違って、ドレインホースという排水管を持っているものがあります。

これは、冷蔵庫から出る水分を排出するためのもので、飲食店などでは排水管や床に接続しています。

しかし、家庭で使う場合には、ドレインホースを排水管に接続する工事が必要になることがあります。

ドレインホースをそのまま放置しておくと、水漏れやカビの発生などの問題が起こる可能性があります。

ただし、ドレインホースから流れ出る前に排水皿という受け皿で水分を受け止めるタイプの冷蔵庫もあります。この場合は、定期的に排水皿を掃除して水分を捨てれば良いです。

また、業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりも消費電力が高いため、電源コンセントや電気回路にも注意が必要です。

業務用冷蔵庫の電源コンセントは、単相100Vの3ピン式や単相200Vの4ピン式など、家庭用とは異なるものがあります。この場合は、変換アダプターを使うか、電気工事でコンセントを増設する必要があります。

また、電気回路の容量やブレーカーの設定も、冷蔵庫の消費電力に合わせて確認する必要があります。電気回路やブレーカーが不適切だと、冷蔵庫の故障や火災の原因となることがあります。

③掃除やメンテナンスの頻度

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫よりも頑丈で耐久性が高いと言われていますが、それでも定期的な掃除やメンテナンスが必要です。

特に、コンデンサーフィルターという部品の清掃は重要です。

コンデンサーフィルターは、冷蔵庫の表側にある機械室パネルを開けて見える金属製の網状の部品で、冷蔵庫の放熱を助ける役割をしています。

しかし、コンデンサーフィルターにほこりや油汚れが付着すると、放熱効果が低下し、冷蔵庫の温度が上昇したり、電気代が高くなったりする可能性があります。

そのため、コンデンサーフィルターは月に1回程度水洗いして清掃することが推奨されています。

また、冷蔵庫内部や扉パッキンも定期的に清掃することが大切です。冷蔵庫内部には食べ物の汁やカビなどの汚れが付着することがあります。

これらの汚れは衛生面だけでなく、冷却効果や消臭効果にも影響を与えることがあります。

そのため、冷蔵庫内部は柔らかい布とぬるま湯で拭いたり、薄めた食器用洗剤で洗浄したりすることが望ましいです。扉パッキンにも汚れやカビが付着することがあります。

扉パッキンは冷蔵庫内部と外部の温度差を保つために重要な部品ですが、汚れやカビが付着すると密閉性が低下し、冷気漏れや結露などの問題が起こる可能性があります。

そのため、扉パッキンも柔らかい布とぬるま湯で拭いたり、中性洗剤で洗浄したりすることが必要です。

おわりに

業務用冷蔵庫は、家庭用冷蔵庫では得られないメリットがあります。

しかし、デメリットや注意点も無視できません。

自分のニーズや予算に合わせて、業務用冷蔵庫を購入するかどうか慎重に検討しましょう。

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