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ウイスキーは何からできてる?原料と製造工程を初心者にも分かりやすく解説!

コップに注がれたウイスキー 学び

ウイスキーは世界中で愛されるお酒の一つですが、その原料や作り方についてはあまり知られていません。

ウイスキーの種類や味わいには、原料となる麦や製造工程による違いが大きく影響しています。

この記事では、ウイスキーの原料と製造工程を初心者にも分かりやすく解説します。

ウイスキーの基礎知識を身につけて、おいしいウイスキーを楽しみましょう。

1.ウイスキーの主な原料は「麦」

麦

ウイスキーとは、麦を原料として発酵・蒸留・熟成させた蒸留酒の一種です。

ウイスキーの味わいや香りは、使用する麦の種類や品質、製造工程や熟成条件などによって大きく変わります。

では、ウイスキーに使われる麦にはどんな種類や特徴があるのでしょうか?

ここでは、ウイスキーの原料となる麦の種類と特徴、麦芽と麦芽化の目的について、初心者にも分かりやすく解説します。

①麦の種類と特徴:大麦、小麦、トウモロコシ、ライ麦、米など

ウイスキーに使われる麦には、大麦、小麦、トウモロコシ、ライ麦、米などがあります。それぞれに以下のような特徴があります。

  • 大麦:ウイスキーの原料として最も一般的に使われる麦です。大麦は麦芽化に適しており、酵素が豊富に含まれています。大麦の麦芽は、ウイスキーに芳醇な香りやコク、甘みを与えます。大麦の麦芽は、焙燥の温度や時間によって色や風味が変わります。淡色の麦芽は、軽やかでフルーティーなウイスキーになります。濃色の麦芽は、重厚でスモーキーなウイスキーになります。大麦の麦芽は、スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーなどに多く使われます。
  • 小麦:ウイスキーの原料として大麦に次いでよく使われる麦です。小麦は麦芽化には不向きですが、でんぷんが多く含まれています。小麦の麦芽は、ウイスキーに柔らかく滑らかな口当たりや甘さを与えます。小麦の麦芽は、ほとんど焙燥されずに淡色のまま使われます。小麦の麦芽は、バーボンウイスキーやカナディアンウイスキーなどに多く使われます。
  • トウモロコシ:ウイスキーの原料として小麦と同じくらいよく使われる麦です。トウモロコシは麦芽化には不向きですが、でんぷんが非常に多く含まれています。トウモロコシの麦芽は、ウイスキーに甘く芳ばしい香りや味わいを与えます。トウモロコシの麦芽は、ほとんど焙燥されずに淡色のまま使われます。トウモロコシの麦芽は、バーボンウイスキーやアメリカンウイスキーなどに多く使われます。
  • ライ麦:ウイスキーの原料としてあまり一般的ではない麦です。ライ麦は麦芽化には向いていますが、酵素が少なく含まれています。ライ麦の麦芽は、ウイスキーにスパイシーで辛味のある香りや味わいを与えます。ライ麦の麦芽は、淡色から濃色までさまざまな焙燥度合で使われます。ライ麦の麦芽は、ライウイスキーやバーボンウイスキーなどに使われます。
  • :ウイスキーの原料としては珍しい麦です。米は麦芽化には不向きですが、でんぷんが多く含まれています。米の麦芽は、ウイスキーに軽快で爽やかな香りや味わいを与えます。米の麦芽は、ほとんど焙燥されずに淡色のまま使われます。米の麦芽は、日本の一部のウイスキーやアジアの一部のウイスキーなどに使われます。

②麦芽と麦芽化:麦を発芽させて酵素を活性化する

麦芽とは、その名の通り発芽した麦のことです。麦芽化とは、麦を発芽させる工程のことです。

麦芽化は、以下のような手順で行われます。

  1. 浸麦:麦の種を水に浸して発芽を促します。水分や温度、時間などを調整して、発芽のスピードや品質をコントロールします。
  2. 発芽:浸麦した麦を一定の温度と湿度の中で発芽させます。発芽することで、麦の中に酵素が生成されます。酵素は、麦のでんぷんやタンパク質を分解する働きをします。発芽の度合いによって、麦芽の性質や風味が変わります。
  3. 焙燥:発芽した麦を高温で乾燥させます。焙燥することで、発芽を止めて麦芽の品質を安定させます。また、焙燥の温度や時間によって、麦芽の色や香りが変わります。焙燥後には、麦芽の芽や根を取り除きます。

③麦芽化の目的:麦のでんぷんを糖に分解する

麦芽化の目的は、麦のでんぷんを糖に分解することです。

糖は、ウイスキーの発酵に必要な酵母のエサになります。

麦芽化によって生成された酵素は、麦のでんぷんを糖に分解する働きをします。

麦芽化の度合いによって、生成される糖の種類や量が変わります。糖の種類や量は、ウイスキーのアルコール度や味わいに影響します。

麦芽化は、ウイスキーの原料となる麦汁をつくるための重要な工程です。

2.麦芽化した麦を「糖化」

テーブルに置かれたウイスキー

ウイスキーはどうやって作られるのでしょうか?

ウイスキーの原料は麦ですが、その麦をどのように加工してアルコールに変えるのでしょうか?

ウイスキーの製造過程には、麦芽化、糖化、発酵、蒸留、熟成などの工程がありますが、今回はその中でも「糖化」について詳しく見ていきましょう。

①糖化の工程:麦芽を粉砕して水と混ぜる

糖化とは、麦芽に含まれるでんぷんを糖に分解する工程です。

麦芽とは、麦の種子を発芽させて乾燥させたもので、発芽することででんぷんを分解する酵素が生成されます。この酵素を利用して、でんぷんを糖に変えるのが糖化です。

糖化の工程は、以下のように行われます。

  1. 麦芽を粉砕する。麦芽を粉砕することで、でんぷんと酵素が水に溶け出しやすくなります。粉砕した麦芽をグリストと呼びます。
  2. グリストに水を加えて混ぜる。グリストに水を加えて混ぜることで、麦汁(ウォート)と呼ばれる液体を作ります。この液体には、でんぷんと酵素が含まれています。
  3. 麦汁(ウォート)を加熱する。ウォートを加熱することで、酵素の活性を高めてでんぷんを糖に分解します。加熱の温度や時間は、酵素の種類や糖の種類によって異なります。
  4. 麦汁(ウォート)をろ過する。ウォートをろ過することで、糖分を含んだ液体と、麦の残渣(ドラフ)とに分けます。糖分を含んだ液体は発酵の工程に進みます。ドラフは飼料などに利用されます。

②糖化の目的:麦の糖分を溶出する

糖化の目的は、麦のでんぷんを糖に分解して溶出することです。糖は、発酵の工程で酵母によってアルコールに変えられます。つまり、糖化はアルコールの原料を作る工程と言えます。

糖化の結果、ウォートにはブドウ糖や麦芽糖などの糖が含まれます。糖の種類や量は、ウイスキーの風味やアルコール度数に影響します。

③糖化の種類:単式糖化と複式糖化

糖化には、単式糖化と複式糖化の2種類があります。単式糖化とは、麦芽だけを原料として糖化する方法です。

複式糖化とは、麦芽以外の穀物(とうもろこしやライ麦など)も原料として糖化する方法です。

単式糖化と複式糖化の違いは、以下のようになります。

  • 単式糖化は、麦芽のみを使用するので、麦芽の風味や香りが強く出ます。また、麦芽に含まれる酵素のみで糖化するので、糖化の温度や時間の調整が容易です。単式糖化は、スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーなどに用いられます。
  • 複式糖化は、麦芽以外の穀物も使用するので、穀物の風味や香りが加わります。また、穀物に含まれるでんぷんは麦芽の酵素だけでは分解できないので、酵素を添加したり、高温で糖化したりする必要があります。複式糖化は、バーボンウイスキーやカナディアンウイスキーなどに用いられます。

3.糖化液に「酵母」を加えて「発酵」

酵母

醸造という工程では、発酵という現象が重要な役割を果たしています。

発酵とは、酵母という微生物が糖分をアルコールと二酸化炭素に変えることです。

発酵によって、麦汁と呼ばれる糖化液にアルコール度数が生まれ、ウイスキーの原料となります。

では、発酵の工程と目的、種類について詳しく見ていきましょう。

①発酵の工程:麦汁に酵母を加えて発酵させる

発酵の工程は、麦汁に酵母を加えて発酵させるというシンプルなものです。

麦汁とは、穀物を粉砕して水に浸した後、麹菌と呼ばれるカビを加えて糖化させた液体です。

麹菌は、穀物のでんぷんを糖に分解する酵素を持っています。

糖化液には、麦芽糖やグルコースなどの糖分が豊富に含まれています。この糖分が、酵母のエサとなります。

酵母は、糖分を分解してエネルギーを得る際に、副産物としてアルコールと二酸化炭素を生成します。この反応は、以下の化学式で表されます。

C 6 H 12 O 6 → 2C 2 H 5 OH + 2CO 2

グルコース → エタノール + 二酸化炭素

酵母は、麦汁に加えられると、約2週間ほど発酵を続けます。発酵の途中で、二酸化炭素の泡が麦汁の表面に浮かびます。これは、発酵の活発さを示す指標となります。

発酵が終わると、麦汁はアルコール度数が約10%になり、ビールに似た味と香りを持つ液体に変わります。この液体をウォートと呼びます。ウォートは、次の工程である蒸留の原料となります。

②発酵の目的:麦の糖分をアルコールと二酸化炭素に変える

発酵の目的は、麦の糖分をアルコールと二酸化炭素に変えることです。アルコールは、ウイスキーの主成分であり、風味や香り、色や味に影響を与えます。

二酸化炭素は、発酵の過程で発生するガスであり、麦汁の表面に泡を作ります。

二酸化炭素は、発酵の進行度や速度を測るのに役立ちます。また、二酸化炭素は、麦汁の中の酸素を追い出すことで、酵母の生育環境を整えます。

酵母は、酸素が少ない状態で発酵を行います。酸素が多いと、酵母は発酵ではなく呼吸を行い、アルコールではなく水と二酸化炭素を生成します。

これは、ウイスキーの製造にとって望ましくないことです。したがって、発酵の目的は、酵母が麦の糖分を効率的にアルコールに変えることであり、二酸化炭素はそのための補助的な役割を果たしています。

③発酵の種類:上面発酵と下面発酵

発酵の種類は、使用する酵母の種類や発酵の温度によって分けられます。代表的な発酵の種類には、上面発酵と下面発酵があります。

上面発酵とは、酵母が麦汁の表面に浮かんで発酵する方法です。上面発酵に適した酵母は、高温に強く、発酵の速度が速いです。

上面発酵によって作られるウイスキーは、エステルやフェノールなどの香り成分が多く含まれ、フルーティーで芳醇な味わいになります。

上面発酵によって作られるウイスキーの例としては、アイリッシュウイスキーやスコッチウイスキーなどがあります。

下面発酵とは、酵母が麦汁の底に沈んで発酵する方法です。下面発酵に適した酵母は、低温に強く、発酵の速度が遅いです。

下面発酵によって作られるウイスキーは、香り成分が少なく、すっきりとした味わいになります。

下面発酵によって作られるウイスキーの例としては、アメリカンウイスキーやカナディアンウイスキーなどがあります。

発酵の種類によって、ウイスキーの風味や個性が大きく変わります。自分の好みに合ったウイスキーを見つけるためには、発酵の種類にも注目してみるといいでしょう。

4.発酵した液を「蒸溜」

蒸留している女性

ウイスキーの製造過程には「蒸溜」という工程が欠かせません。

蒸溜とは、発酵した液体を蒸留してアルコール度数を上げるとともに、不純物を除去して香りや味を形成する方法です。

ここでは、蒸溜の工程、目的、種類について、初心者にも分かりやすく解説します。

①蒸溜の工程:発酵液を蒸留してアルコール度数を上げる

蒸溜には、ポットスチルと呼ばれる単式蒸留器を使います。ポットスチルは、大きな銅製の釜に似た形をしており、その中にもろみを入れて加熱します。

すると、もろみの中のアルコールや水、香味成分などが沸点に応じて気化し、蒸留器の上部にある管に移動します。その後、管の先にある冷却器で気化した成分を冷やして液体に戻し、別の容器に回収します。

このとき、沸点の低いアルコールや香味成分が先に気化して回収されるので、蒸留後の液体はもろみよりもアルコール度数が高くなります。

また、沸点の高い水や不純物は蒸留器の中に残ります。ポットスチルでの蒸溜は、通常2回行われます。1回目の蒸溜では、もろみからアルコール度数約20%の液体(留液)を得ます。

2回目の蒸溜では、留液からアルコール度数約70%の液体(ニューメイク)を得ます。ニューメイクは、無色透明で強いアルコール臭と香りを持つ液体です。このニューメイクが、樽で熟成されてウイスキーになるのです。

②蒸溜の目的:不純物を除去して香りや味を形成する

蒸溜の目的は、発酵液からアルコール度数を上げることだけではありません。蒸溜によって、不純物を除去してウイスキーの品質を向上させることもできます。

また、蒸溜によって、ウイスキー独特の香りや味を形成することもできます。

蒸溜の目的には、以下のようなものがあります。

  • 不純物の除去:発酵液には、アルコールや水、香味成分のほかに、メタノールや酢酸などの有害物質や、悪臭を発する物質が含まれています。これらの不純物は、蒸溜の過程で蒸留器の中に残したり、先に気化して捨てたりすることで除去できます。不純物を除去することで、ウイスキーの味や香りを損なわないだけでなく、健康にも良いです。
  • 香りや味の形成:発酵液には、アルコールや水、香味成分のほかに、エステルやアルデヒドなどの芳香族化合物が含まれています。これらの芳香族化合物は、蒸溜の過程で気化して回収され、ウイスキーの香りや味に大きな影響を与えます。芳香族化合物の種類や量は、原料や発酵条件、蒸溜方法などによって変わります。芳香族化合物をコントロールすることで、ウイスキーの個性や特徴を作り出すことができます。

③蒸溜の種類:連続式蒸溜と間欠式蒸溜

蒸溜には、大きく分けて連続式蒸溜と間欠式蒸溜の2種類があります。

連続式蒸溜は、蒸留器に連続的に発酵液を供給し、連続的に蒸留液を回収する方法です。

間欠式蒸溜は、蒸留器に一定量の発酵液を入れて蒸留し、蒸留液を回収した後に蒸留器を空にして再び発酵液を入れる方法です。

ウイスキーの製造には、主に間欠式蒸溜が用いられます。

連続式蒸溜と間欠式蒸溜の違いには、以下のようなものがあります。

  • 蒸留器の形状:連続式蒸溜には、コラムスチルと呼ばれる高さのある円筒形の蒸留器が使われます。コラムスチルの中には、多数のプレートやパッキングと呼ばれる隔壁があり、発酵液と蒸気が接触して蒸留されます。間欠式蒸溜には、ポットスチルと呼ばれる釜型の蒸留器が使われます。ポットスチルは、発酵液を入れた釜に火をつけて加熱し、蒸気を冷却器に導いて液体に戻します。
  • 蒸留の回数:連続式蒸溜は、一度の蒸留で高いアルコール度数の液体を得ることができます。一方、間欠式蒸溜は、一度の蒸留では低いアルコール度数の液体しか得られないので、通常2回以上の蒸留を行います。蒸留の回数によって、蒸留液の純度や香りが変わります。
  • 蒸留液の性質:連続式蒸溜は、高いアルコール度数の液体を得ることができますが、香味成分や不純物も多く含まれます。そのため、連続式蒸溜によって作られるウイスキーは、軽くて中性的な味わいになります。一方、間欠式蒸溜は、低いアルコール度数の液体を得ることができますが、香味成分や不純物も少なくなります。そのため、間欠式蒸溜によって作られるウイスキーは、重くて個性的な味わいになります。

5.蒸溜した原酒を「樽」で「熟成」

酒を熟成させている樽

ウイスキーは、樽で熟成させることで、ウイスキーの色や香りや味が変化し、独自の個性を持つようになります。

ここでは、ウイスキーの熟成の工程、目的、種類について、初心者にも分かりやすく解説します。

①熟成の工程:樽で原酒を長期間保存する

ウイスキーの熟成とは、蒸留した原酒を樽に入れて、一定の温度と湿度のもとで長期間保存することです。

樽は、主にオーク材で作られており、その中でもアメリカンオークやヨーロピアンオークがよく使われます。

樽の材質や形状、大きさ、焼き具合などによって、原酒に様々な影響を与えます。樽の内側には、木の繊維やタンニンなどの成分が含まれており、原酒に移行して色や香りや味を変えます。

また、樽の隙間から空気が入り込み、原酒と酸素が反応して酸化やエステル化などの化学変化が起こります。これらの変化によって、原酒は熟成されてウイスキーになります。

熟成の期間は、法律や規格によって定められており、最低でも3年以上とされています。しかし、熟成の期間が長いほどウイスキーが良くなるというわけではありません。

熟成の過程で、原酒の量は蒸発や樽への吸収によって減少し、濃度や風味も変化します。そのため、熟成の期間や条件は、ウイスキーの製造者が目指す理想の味や品質に合わせて調整されます。

②熟成の目的:樽の材質や環境によって色や香りや味を変化させる

ウイスキーの熟成の目的は、樽の材質や環境によって色や香りや味を変化させることです。ウイスキーの色は、樽の材質や焼き具合によって決まります。

一般的に、樽の材質が濃い色のものや、樽の内側が強く焼かれたものほど、ウイスキーの色も濃くなります。

ウイスキーの香りは、樽の材質や環境によって決まります。一般的に、樽の材質が香りの強いものや、樽の内側が焼かれたものほど、ウイスキーの香りも豊かになります。

また、樽の環境によっても香りは変わります。例えば、海岸沿いや山間部などの湿度や気温の変化が激しい場所では、樽の膨張や収縮が起こり、原酒と樽の成分の交換が活発になります。

これによって、ウイスキーの香りに塩気やミネラルなどの特徴が現れます。

ウイスキーの味は、樽の材質や化学変化によって決まります。一般的に、樽の材質が味の強いものや、樽の内側が焼かれたものほど、ウイスキーの味もコクや甘みが増します。

また、樽の隙間から入った酸素と原酒が反応して、エステルやアルデヒドなどの化合物が生成されます。これによって、ウイスキーの味にフルーティーやスパイシーなどの特徴が現れます。

③熟成の種類:新樽熟成と再利用樽熟成

ウイスキーの熟成には、新樽熟成と再利用樽熟成という2つの種類があります。

新樽熟成とは、新しく作られた樽で原酒を熟成させる方法です。

新樽は、樽の材質や焼き具合によって、原酒に強い影響を与えます。新樽で熟成されたウイスキーは、色や香りや味が濃く、樽の個性が際立ちます。

新樽熟成は、主にアメリカンウイスキー(バーボンやライなど)に用いられます。アメリカでは、法律で新樽で熟成することが定められており、新樽は一度しか使えません。

再利用樽熟成とは、他のお酒で使われた樽で原酒を熟成させる方法です。再利用樽は、樽の材質や焼き具合だけでなく、前に使われたお酒の種類や熟成期間によっても、原酒に影響を与えます。

再利用樽で熟成されたウイスキーは、色や香りや味が複雑で、樽の歴史が感じられます。再利用樽熟成は、主にスコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーに用いられます。

スコッチウイスキーでは、シェリーやポートワインなどの樽がよく使われます。アイリッシュウイスキーでは、バーボンやシェリーなどの樽がよく使われます。

6.ウイスキーの種類とは?原料と製造工程による分類

ウイスキーの名産地

ウイスキーにはさまざまな種類があり、原料や製造工程によって味や香りが大きく異なります。ここでは、ウイスキーの代表的な種類とその特徴について解説します。

①スコッチウイスキー:スコットランド産のモルトウイスキー

スコッチウイスキーとは、スコットランドで製造されるウイスキーの総称です。

スコッチウイスキーは、大麦の麦芽を原料とし、発酵させたものを単式蒸留器で2回蒸留して造られます。蒸留後、オーク樽で3年以上熟成させることが法律で定められています。

スコッチウイスキーの特徴は、麦芽を乾燥させる際に燃やす泥炭(ピート)に由来する独特のスモーキーな香りです。

この香りの強さは、銘柄や産地によって異なります。スコットランドは、ハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラ、キャンベルタウンの5つの地域に分けられ、それぞれに特色があります。

スコッチウイスキーには、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドウイスキーと、単一の蒸留所で作られたモルトウイスキーのシングルモルトウイスキーがあります。

ブレンデッドウイスキーは、バランスの良い味わいで飲みやすく、シングルモルトウイスキーは、個性的で風味豊かな味わいが楽しめます。

代表的な銘柄としては、ジョニーウォーカー、バランタイン、グレンフィディック、ラフロイグなどがあります。

②バーボンウイスキー:アメリカ産のトウモロコシを主原料としたグレーンウイスキー

バーボンウイスキーとは、アメリカで製造されるウイスキーの一種で、原料の51%以上がトウモロコシであることが法律で定められています。

他の穀物とともに発酵させたものを連続式蒸留器で蒸留し、新品の炭化皮膜処理されたオーク樽で2年以上熟成させます。

バーボンウイスキーの特徴は、木を焼いたような香ばしさとバニラのような甘みを感じられることです。

これは、新品の樽で熟成することで、樽の成分がウイスキーに移るためです。

また、トウモロコシの甘さも味に影響します。バーボンウイスキーは、風味が強いため、ハイボールやカクテルなどで割って飲むのもおすすめです。

代表的な銘柄としては、ジムビーム、ワイルドターキー、メーカーズマークなどがあります。

③シングルモルトウイスキー:単一の蒸留所で作られたモルトウイスキー

シングルモルトウイスキーとは、単一の蒸留所で作られたモルトウイスキーのことです。

スコッチウイスキーの中にもシングルモルトウイスキーがありますが、他の国でもシングルモルトウイスキーを製造しています。

日本では、サントリーの山崎や白州、ニッカの余市や宮城峡などが有名です。

シングルモルトウイスキーの特徴は、蒸留所の土地や水、風土、気候などによって個性を表現することです。

また、樽の種類や熟成期間によっても味や香りが変化します。

シングルモルトウイスキーは、ウイスキー本来の複雑な香りや味をそのまま感じられるので、ストレートやロックで楽しむのがおすすめです。

④ブレンデッドウイスキー:モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたもの

ブレンデッドウイスキーとは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたウイスキーのことです。

モルトウイスキーは風味が強く、グレーンウイスキーは軽い穏やかな風味があります。お互いの長所を絶妙に掛け合わせて造られるブレンデッドウイスキーは、まろやかな味わいと芳醇な香りが楽しめます。

ブレンデッドウイスキーには、スコッチウイスキー、バーボンウイスキー、ジャパニーズウイスキーなどがあります。ブレンデッドウイスキーは、飲みやすさと香りのバランスが良いので、ウイスキー初心者の方にもおすすめです

また、水割りや炭酸割りなど、さまざまな飲み方が楽しめます。

代表的な銘柄としては、サントリーの角や富士山麓、キリンの麒麟などがあります。

おわりに

ウイスキーの原料と製造工程について、初心者にも分かりやすく説明しました。

ウイスキーの種類や味わいには、原料となる麦や製造工程による違いが大きく影響しています。

ウイスキーの基礎知識を身につけて、お好みのウイスキーを見つけてください。

ウイスキーは適度に楽しむのが一番です。お酒はおいしく、楽しく、ほどほどに。

学び
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