自己肯定力を高めることは簡単ではありません。
自己肯定力向上の障害となるものは多くあります。
しかし、それらを克服する方法もあります。
この記事では、自己肯定力向上の障害について説明し、それらを克服する方法についても説明します。
また、日常生活で実践できる自己肯定力向上のための習慣や、利用できるツールについても紹介します。
1.自己肯定力向上の障害とその克服方法
自己肯定力とは、自分自身を肯定的に評価し、自信を持って生きる力のことです。自己肯定力が高い人は、自分の価値を認め、チャレンジや変化に積極的になれます。
一方、自己肯定力が低い人は、自分の能力や存在意義を疑い、否定的な感情に支配されやすくなります。
自己肯定力を高めることは、幸せで充実した人生を送るために重要ですが、それにはさまざまな障害があります。
ここでは、自己肯定力向上の障害としてよくある3つの例と、それぞれの克服方法について解説します。
①ネガティブな自己イメージの扱い方
ネガティブな自己イメージとは、自分に対する否定的な見方や思い込みのことです。
例えば、「私はダメな人間だ」「私は何もできない」「私は誰からも愛されない」といったようなものです。
ネガティブな自己イメージを持つと、自分に対する信頼や尊敬が失われ、自己肯定力が低下します。
ネガティブな自己イメージを扱う方法としては、以下のようなものがあります。
- 自分の長所や強みを見つける。ネガティブな自己イメージは、自分の短所や弱みにばかり目が行きがちです。しかし、誰でも長所や強みを持っています。それらを探してリストアップし、毎日読み返したり声に出したりすることで、自分への評価を上げることができます。
- 自分に優しくなる。ネガティブな自己イメージは、自分に対する厳しい批判や罪悪感から生まれます。しかし、それらは過剰で不合理なものであることが多いです。自分を責めたり罰したりするのではなく、許したり労ったりすることで、心の平安を取り戻すことができます。
- 客観的な視点を持つ。ネガティブな自己イメージは、事実ではなく感情や思い込みに基づいています。それらを客観的に検証することで、現実との乖離に気づくことができます。例えば、「私はダメだ」と思ったら、「どういう根拠があるのか」「他人から見たらどう見えるか」「どうすれば改善できるか」などを考えてみましょう。
②批判や非難からの防御
批判や非難とは、他人から自分の行動や性格に対して否定的な評価や責めを受けることです。
例えば、「あなたは仕事ができない」「あなたは無責任だ」「あなたは嫌われている」といったようなものです。
批判や非難を受けると、傷ついたり怒ったりしたりして、自己肯定力が低下します。
批判や非難からの防御方法としては、以下のようなものがあります。
- 批判と非難を区別する。批判と非難は似ているようで違います。批判は、欠点や悪い所を正すために具体的な意見を述べることです。非難は、欠点や失敗などの悪いところをあげつらって責めることです。批判は、改善のためのフィードバックとして受け止めることができます。非難は、相手の感情や思い込みに基づくものであり、真に受ける必要はありません。
- 批判や非難の真意を探る。批判や非難を受けたときには、相手が何を伝えたいのか、どういう目的や動機があるのかを探ることが大切です。例えば、「あなたは仕事ができない」と言われたら、「どういう点で仕事ができないと思うのか」「どうすれば仕事ができるようになると思うのか」「仕事ができないことでどんな問題が起きているのか」などを聞いてみましょう。そうすることで、相手の言葉に含まれる情報や建設的な提案を見つけることができます。
- 批判や非難に感謝する。批判や非難を受けたときには、感謝することも効果的です。感謝することで、自分の気持ちを落ち着かせたり、相手との関係を改善したりすることができます。例えば、「あなたは無責任だ」と言われたら、「私の行動に気づいてくれてありがとう」「私ももっと責任感を持って行動したいと思っている」と返すことができます。そうすることで、相手に対する敵対心や反発心を減らすことができます。
③失敗からの学び方
失敗から学ぶとは、成功へのヒントを見つけたり、失敗に隠された価値を見つけ出し、自分の成長に役立てることを意味します。
失敗から学ぶメリットは、以下の5つです。
- 新しい視点を得られる
- 自己改善の手がかりをつかめる
- 問題解決のスキルアップにつながる
- リスク管理の能力が高まる
- 精神的な強さが身につく
失敗から学ぶ方法の1つ目は、失敗を徹底的に分析することです。具体的には、何がうまくいかなかったのか、その原因は何かとことん考えることですね。
失敗を分析し、失敗した原因を特定することで、次回に同じ失敗を繰り返すことを避けることができます。
失敗から学ぶ方法の2つ目は、周りの人の意見やアドバイスを聞くことです。具体的には、失敗したことを信頼できる人に話したり、専門家や先輩などに助言を求めたりすることですね。
周りの人の意見やアドバイスを聞くことで、自分では気づかなかった視点や知識を得ることができます。
失敗から学ぶ方法の3つ目は、行動を起こし失敗に意味を持たせることです。具体的には、失敗から得た教訓やヒントをもとに、改善策や挑戦策を立てて実行することですね。
行動を起こすことで、失敗を無駄にしないで済みますし、自分の成長につながります。
以上の3つの方法を実践することで、あなたは失敗から学ぶことができます。
失敗から学ぶことは、自己肯定力を高めるために非常に有効です。失敗から学ぶことで、あなたは自分の能力や価値を高めることができるでしょう。
2.自己肯定力向上のための日常習慣
自己肯定力は、幼少期の親や周囲の人からの影響や、成長過程での経験などによって形成されますが、大人になってからも変化させることができます。
自己肯定力を向上させるためには、日常生活で意識的に取り組むことが大切です。ここでは、自己肯定力向上のための日常習慣として、以下の3つのポイントを紹介します。
①健康的なライフスタイルの維持
自己肯定力は、心と体の両方に影響されます。心身の健康を保つためには、健康的なライフスタイルを維持することが重要です。具体的には、以下のようなことに気を付けましょう。
- 食事:バランスの良い食事を摂りましょう。栄養素が不足すると、体調や気分に悪影響を及ぼします。特に、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸などは、神経系や精神面に関係する栄養素です。また、食事は楽しく味わうことも大切です。食べることは生きる喜びの一つであり、感謝や満足感を感じることができます。
- 睡眠:十分な睡眠をとりましょう。睡眠不足は、ストレスや不安を増やし、集中力や判断力を低下させます。一般的には一日7時間以上の睡眠が良いとされています。またできる限り同じ時間に就寝して目覚める生活を続けると、体がそのスケジュールに慣れます。
- 運動:適度な運動をしましょう。運動は体力や免疫力を高めるだけでなく、心理的な効果もあります。運動することでエンドルフィンなどの快楽物質が分泌され、気分が明るくなります。また、運動は目標設定や達成感を得る機会にもなります。
②目標設定と達成
目標設定と達成は、自己肯定力向上に欠かせません。目標設定することで、自分がすべきことのロードマップを作成し、効率的かつスピーディに仕事を進めることができます。
また、目標達成へ向けた確実な努力を積み重ねやすくなり、達成感を得ることができるため、仕事に対するモチベーションを高めるメリットもあります。
目標設定と達成のコツは、以下のようなことに注意することです。
- 目標は明確にしましょう。目標が曖昧だと、達成したかどうか判断できません。目標は具体的で測定可能であり、期限や基準を設けることが望ましいです。たとえば、「英語を勉強する」という目標は曖昧ですが、「TOEICで800点以上を取るために、毎日1時間英語のリスニングをする」という目標は明確です。
- 目標は現実的にしましょう。目標が高すぎると、達成できないと感じて挫折する可能性があります。自分の能力や環境に合わせて、達成が現実的な目標である必要があります。たとえば、普段は月に10件前後の契約を獲得している営業職の人の場合、いきなり100件の獲得を目標にしたとしても達成は難しいでしょう。そうではなく、月に15件以上を目指す、営業の電話を1日に20件かけるなど、モチベーションを維持しながら行動できる「適度な目標」を設定することが大切です。
- 目標は分割しましょう。目標が大きすぎると、遠くて見えにくくなります。目標を小さく分割することで、達成までの道筋が明確になります。また、分割した目標を一つずつクリアしていくことで、小さな成功体験を積み重ねることができます。たとえば、「年間100冊の本を読む」という目標は、「月に8冊以上の本を読む」という目標に分割することができます。
③マインドフルネスと瞑想の実践
マインドフルネスと瞑想は、自己肯定力向上に役立つ心理的な技法です。
マインドフルネスとは、今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ることです。
瞑想とは、呼吸や音楽などに集中し、心を静めることです。
マインドフルネスや瞑想を実践することで、以下のような効果が期待できます。
- ストレスや不安を軽減しましょう。マインドフルネスや瞑想は、自律神経のバランスを整え、リラックス効果や免疫力向上効果があります。また、自分の感情や思考に客観的に気づき、否定的なものから距離を置くことができます 。これにより、ストレスや不安を軽減し、自己肯定感を高めることができます。
- 自分の価値観や目標に集中しましょう。マインドフルネスや瞑想は、自分の内面に向き合い、自分の価値観や目標を明確にすることができます 。また、自分の行動や選択に対して責任を持ち、自信を持つことができます 。これにより、自分の人生に意味や目的を感じることができます。
- ポジティブな感情や思考を増やしましょう。マインドフルネスや瞑想は、ポジティブな感情や思考を増やすことができます 。例えば、感謝や喜び、希望などの感情を呼び起こしたり、自分の長所や良い点を思い出したりすることができます。これにより、幸福感や満足感を高めることができます。
以上の3つの日常習慣を実践することで、あなたは自己肯定力を向上させることができます。
自己肯定力は、心身の健康だけでなく、仕事や人間関係などの様々な面にも良い影響を与えます。あなたもぜひ、これらの日常習慣を取り入れてみてください。
3.自己肯定力向上のためのツール
ここでは、自己肯定力向上のためのツールを紹介します。
①自己肯定力向上の書籍とオンラインコース
自己肯定力を高めるためには、まず自分の思い込みや認知の歪みに気づき、それを修正する必要があります。そのためには、心理学的な知識やワークが役立ちます。
以下に、自己肯定力を高めることができるおすすめの書籍とオンラインコースを紹介します。
- 敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法:この本は、他人の考えや価値観を基準に自分の言動を決めてしまう敏感すぎる人のための本です。著者は人気心理カウンセラーであり、敏感すぎて傷つきやすいあなたに自分を大切にして自己肯定感をあげて、自分らしく生きられるようになる方法を7日間のプログラムでお伝えします。本書では、自己肯定感の構成要素や育まれ方、高める方法などをわかりやすく解説し、実際にワークを通して自分を認めて受け入れる方法を学べます。
- 習慣化は自己肯定感が10割:この本は、目標達成に必要な習慣化の方法とその効果について紹介する本です。著者は自己肯定感の第一人者であり、習慣化するために必要なのは強い意志ではなく「自己肯定感」だと主張します。本書では、自己肯定感を高める方法や習慣化するテクニックやスキルを紹介し、生活習慣や仕事習慣などの具体例も示します。
- まずは、自分をまるっと肯定しよう:この本は、心理学者でありTEDスピーカーでもある著者が、「まずは自分をまるっと肯定する」というシンプルなメッセージを伝える本です。著者は、「私たちはみんな完璧ではなくてもいい」ということ、「私たちはみんな違っていてもいい」ということ、「私たちはみんな変わってもいい」ということ、「私たちはみんな愛されてもいい」ということ、「私たちはみんな幸せになってもいい」ということを説きます。本書では、これらのメッセージに沿って、具体的なエクササイズやストーリーを紹介し、自分を肯定する力を養います。
- 自己肯定感を上げるベーシック講座(ZOOM):このオンラインコースは、一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会が提供する自己肯定感を上げるための講座です。この講座では、6時間で自己肯定感を高める基礎的な方法を学べます。講座の内容は、自己肯定感の傾向や構成要素、育まれ方、影響などの理解と、自分を認めて受け入れる方法や自己肯定感を高める土台をつくるワークなどです。ZOOMで開催されるので、どこからでも参加できます。
②自己肯定力向上のアプリ
自己肯定力を高めるためには、書籍やオンラインコースだけではなく、アプリやツールも有効です。以下に、自己肯定力向上のアプリとツールについて紹介します。
- 『ポジティブ思考トレーニング』:このアプリは、ポジティブ思考を身につけるためのトレーニングメニューを提供しています。毎日3分程度でできる簡単なワークがあります。例えば、「今日あった良いこと」や「明日への期待」などです。
- 『MindShift CBT』:このアプリは、認知行動療法の原理に基づいて、不安やストレスを減らすためのツールを提供しています。自己評価や認知の歪みのチェック、リラクゼーションや思考の変換などのエクササイズがあります。
おわりに
自己肯定力は成長と成功に不可欠なスキルです。
この記事で紹介した障害とその克服方法、習慣やツールを活用して、自己肯定力を向上させましょう。
自己肯定力を高める旅路は決して終わりませんが、継続的な努力と学びの過程で素晴らしい成果を得ることができます。
あなたはあなたらしく、素晴らしい存在です。
そのことを忘れずに、自分を大切にしてください。