教育版マインクラフトとは、世界中で人気のものづくりゲーム「マインクラフト」を教育用にカスタマイズしたものです。
教育版マインクラフトでは、ブロックで自由に世界を作りながら、プログラミングや情報教育、協同学習などのスキルを身につけることができます。
この記事では、教育版マインクラフトの特徴や使い方、教育現場での活用事例などを紹介します。
1.教育版マインクラフト(Minecraft Education)とは?
マインクラフトというゲームをご存知でしょうか?
ブロックを組み合わせて自由に世界を作ったり、冒険したりできるゲームで、世界中で大人気です。
そのマインクラフトを学校の授業で使えるようにしたのが、教育版マインクラフト(Minecraft Education)です。
教育版マインクラフトは、プログラミング教育や協同学習などの教材として活用できる教育向けになっています。
この記事では、教育版マインクラフトの魅力や特徴について解説します。
①子どもたちから見たマインクラフトの魅力
マインクラフトは、子どもたちにとってどのような魅力があるのでしょうか?子どもたちに聞いてみると、「自由だから」という答えが圧倒的に多いそうです。
マインクラフトは、ゲームといっても、勝敗や得点で相手を打ち負かすといったゴールはありません。あるのは、目の前に広がるブロックでできた世界だけです。
そこで何をするかは自分次第で、家を作る、洞窟を探検するなど、やりたいことを自分で決めることができます。この自由なゲーム設定が、子どもたちの創作意欲を刺激し、クリエイティビティを引き出すトリガーになっているのです。
また、ひとつの世界に複数人が同時にアクセスできる「マルチプレイ」もマインクラフトの魅力のひとつです。友だちと同じ世界に入って共同作業をすることで、子ども同士のコミュニケーションやコラボレーションも活性化されていきます。
もちろん、マインクラフト以外でもそうした学習は可能でしょうが、子どもたちのマインクラフトに対する熱量を忘れてはいけません。マインクラフトというだけで学習に対するモチベーションが高まる、この原動力こそ教育に活かしたいと考える教育者も多いのです。
2. 教育版マインクラフトの特徴
ここでは、教育版マインクラフトの特徴を4つの観点から紹介します。
①利用にはライセンスが必要
教育版マインクラフトを利用するには、ライセンスの購入が必要です。ライセンスの種類や価格は、以下の通りです。
- 教室および学校:認定された教育機関では、ボリュームライセンスを通じて教育版マインクラフトを購入することができます。ボリュームライセンスは、Microsoft 365 Education A3/A5 に含まれています。また、個人購読も可能です。
- キャンプ、クラブ、組織:キャンプやクラブ、その他の組織で使用するための個別ライセンスを購入することができます。この購入オプションは、認定教育機関の基準に適合しない場合に最適です。
ライセンスを購入するには、Microsoft 365 のアカウントが必要です。Microsoft 365 のアカウントを持っていない場合は、無料で作成することができます。また、教育版マインクラフトの体験版も用意されており、無料で試すことができます。
②Classroom Modeで生徒たちを管理できる
教育版マインクラフトでは、教室の中でマインクラフトを活用する際に便利な、指導者のための授業支援機能があります。それが、Classroom Modeです。Classroom Modeは、教育者の端末にインストールし、生徒の端末には必要ありません。
Classroom Modeを使うと、教育者は、以下のことができます。
- 生徒の居場所を把握する:マップ上で、生徒の位置や向き、チャットの履歴などを確認できます。また、生徒の視点でワールドを見ることもできます。
- 生徒を一か所に集める:全員を教育者の位置にテレポートさせたり、特定の場所に移動させたりできます。生徒の移動を制限することもできます。
- 生徒とコミュニケーションする:全員や個別にチャットメッセージを送ったり、アナウンスメントを表示させたりできます。チャット機能を無効にすることもできます。
- 生徒の作業を評価する:ゲーム内カメラとポートフォリオを使って、生徒が学習したことを記録させたり、教育者がフィードバックを与えたりできます。
- 生徒の行動を制御する:生徒が他の生徒にダメージを与えたり、危険なブロックを使ったりすることを防いだりできます。また、ゲームの難易度や時間、天候などを設定できます。
Classroom Modeは、教育者が生徒の学習を安心・安全に管理できるようにする、教育版マインクラフトの大きな特徴の一つです。
③プログラミング環境が用意されている
教育版マインクラフトでは、プログラミングを学ぶことができる環境が用意されています。それが、コードビルダーです。コードビルダーは、教育版マインクラフトやマイクロビットで利用できるプログラミング学習機能です。
コードビルダーを使うと、以下のことができます。
- ブロックベースのプログラミング言語であるMakeCodeやScratchを使って、マインクラフトの世界を操作したり、オリジナルのコンテンツを作成したりできます。
- テキストベースのプログラミング言語であるPythonやJavaScriptを使って、より高度なプログラミングを学んだり、マインクラフトの世界に応用したりできます。
- サンプルプログラムやチュートリアルを参考にして、プログラミングの基礎から応用までを段階的に学べます。
- マイクロビットと連携して、実世界とマインクラフトの世界をつなげたり、センサーやLEDなどを使ったりできます。
コードビルダーは、教育版マインクラフトの中でプログラミングを楽しく学べるようにする、教育版マインクラフトの大きな特徴の一つです。
④特別なワールドテンプレートがある
教育版マインクラフトには、ワールドテンプレートと呼ばれる、教育用のワールドが多数用意されています。ワールドテンプレートは、教育版マインクラフトの公式サイトやゲーム内のライブラリからダウンロードできます。
ワールドテンプレートの内容は、以下のように多岐にわたります。
- 科学や数学、アートデザインなどの学習分野に関連したワールド。例えば、人体の構造や化学反応、分数や比率などの数学的な概念を体験できるワールド。例えば、ピザの分割やレシピの作成、建築物の比較などができます。
- 歴史や地理、文化などの社会科学的なテーマに関連したワールド。例えば、古代エジプトやローマ、日本などの文明や建造物を探検したり、世界の国々や都市の特徴を学んだりできます。
- マインクラフトの世界を舞台にしたストーリーや冒険、パズルなどのゲーム的なワールド。例えば、ミステリーやサバイバル、エスケープなどのジャンルに挑戦したり、自分でストーリーやゲームを作成したりできます。
ワールドテンプレートは、教育版マインクラフトの中で様々な学習分野やテーマに触れることができるようにする、教育版マインクラフトの大きな特徴の一つです。
3. 教育版マインクラフトのインストールとセットアップ
ここでは、教育版マインクラフトの基本的な使い方を紹介します。
①インストールとセットアップ
教育版マインクラフトを利用するには、まず、ソフトウェアをダウンロードしてインストールする必要があります。また、ライセンスやアカウントの設定も必要です。ここでは、Windows 10のPCを例に、インストールとセットアップの手順を説明します。
教育版マインクラフトのダウンロードとインストール手順
教育版マインクラフトのダウンロードとインストールは、以下のように行います。
- ブラウザで教育版マインクラフトの公式サイトにアクセスします。
- 右上のメニューから「Download」をクリックします。
- インストールするOSを確認し、画面中央の「Download Now」をクリックします。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、インストーラーを起動します。
- インストーラーの指示に従って、インストールを完了します。
学習環境の構築と基本的なセッティング
教育版マインクラフトを使うには、ライセンスとアカウントの設定が必要です。ライセンスは、教育機関や組織に応じた購入オプションがあります。
アカウントは、Microsoft 365 Educationのアカウントが必要です。Microsoft 365 Educationのアカウントを持っていない場合は、無料のサブスクリプションを設定できます。
ライセンスとアカウントの設定が完了したら、教育版マインクラフトを起動します。起動すると、ログイン画面が表示されます。Microsoft 365 Educationのアカウントでログインします。ログインに成功すると、ホーム画面が表示されます。
ホーム画面では、以下のことができます。
- 「遊ぶ」ボタンで、新しいワールドを作成したり、既存のワールドを開いたり、マルチプレイヤーに参加したりできます。
- 「ライブラリ」ボタンで、教育版マインクラフトのワールドテンプレートやレッスンなどのコンテンツを閲覧したり、ダウンロードしたりできます。
- 「設定」ボタンで、ゲームのオプションやプロファイルの管理を行えます。
4.教育版マインクラフトでプログラミングを学ぶ方法
ここでは、教育版マインクラフトでプログラミングを学ぶ方法を解説します。
①Code Builderを使ってブロックベースやテキストベースのコーディングをする
Code Builderは、教育版マインクラフトに搭載されているコーディングツールです。Code Builderを使うと、ブロックベースやテキストベースのコーディングをゲーム内で行うことができます。
ブロックベースのコーディングとは、プログラミングの命令や構造をブロックとして表現し、ドラッグアンドドロップで組み合わせることでコードを作る方法です。
テキストベースのコーディングとは、プログラミング言語の文法や記号を使ってコードを書く方法です。Code Builderでは、以下のようなプログラミング言語やツールを選択してコーディングをすることができます。
- MakeCode: マイクロソフトが開発したブロックベースとテキストベースのコーディングができるツール。JavaScriptやPythonなどの言語をサポートしている。
- Scratch: MITメディアラボが開発したブロックベースのコーディングができるツール。キャラクターやアニメーションなどを作ることができる。
- Tynker: Tynker社が開発したブロックベースとテキストベースのコーディングができるツール。PythonやJavaScriptなどの言語をサポートしている。
- Code.org: Code.orgが提供するブロックベースのコーディングができるツール。マインクラフトのキャラクターやアイテムなどを使ってゲームを作ることができる。
- Python: テキストベースのコーディングができるプログラミング言語。教育版マインクラフトでは、Pythonのコードを実行することで、ゲーム内のオブジェクトやイベントに影響を与えることができる。
Code Builderを使うには、教育版マインクラフトを起動し、ワールドを選択して入ると、画面の右上にあるCode Builderのアイコンをクリックします。すると、Code Builderのウィンドウが開き、プログラミング言語やツールを選択することができます。
選択した言語やツールに応じて、ブロックベースやテキストベースのコーディングを行うことができます。コーディングを終えたら、実行ボタンを押すと、ゲーム内でコードの結果を確認することができます。
例えば、MakeCodeを使って、以下のようなコードを書いてみましょう。
player.onChat("house", function () {
agent.teleportToPlayer()
agent.setAssist(AGENT_ASSIST_PLACE_ON_MOVE, true)
agent.setItem(BRICKS, 64, 1)
for (let index = 0; index < 4; index++) {
for (let index = 0; index < 10; index++) {
agent.move(FORWARD, 1)
agent.place(DOWN)
}
agent.turn(LEFT_TURN)
}
})
このコードは、チャットで”house”と入力すると、エージェントというロボットがプレイヤーの近くに移動し、レンガを使って四角い家を建てるというものです。
このように、Code Builderを使って、ブロックベースやテキストベースのコーディングをすることで、マインクラフトの世界を自分の思い通りに変えることができます。また、コーディングの基本的な概念や文法、ロジックなどを学ぶことができます。
②コマンドブロックやレッドストーン回路を使ってゲーム内の動作を制御する
Code Builder以外にも、教育版マインクラフトでは、コマンドブロックやレッドストーン回路というゲーム内のアイテムを使って、プログラミングを学ぶことができます。
コマンドブロックとは、ゲーム内で特定のコマンドを実行することができるブロックです。レッドストーン回路とは、レッドストーンという赤い粉を使って、電気的な信号を伝えることができる回路です。これらのアイテムを組み合わせることで、ゲーム内の動作を制御したり、複雑な仕組みを作ったりすることができます 。
コマンドブロックを使うには、教育版マインクラフトの設定で、チートを有効にする必要があります。チートを有効にしたら、チャットで”/give @s command_block”と入力すると、コマンドブロックを入手することができます。
コマンドブロックを置いたら、右クリックで開くと、コマンドを入力することができます。コマンドには、様々な種類がありますが、例えば、”/tp @s ~ ~10 ~”と入力すると、自分の位置から10ブロック分上にテレポートするというコマンドです。
コマンドを入力したら、コマンドブロックの隣にレッドストーンやボタンなどの信号源を置いて、コマンドブロックに信号を送ることで、コマンドを実行することができます。
レッドストーン回路を使うには、レッドストーンという赤い粉を採掘する必要があります。レッドストーンは、主に地下で見つかる鉱石です。
レッドストーンを採掘すると、レッドストーンダストというアイテムが手に入ります。レッドストーンダストは、地面に置くことで、電気的な信号を伝えることができます。レッドストーンダストには、信号源と信号受けという2つの役割があります。
信号源とは、レッドストーン回路に信号を送ることができるアイテムです。例えば、レバーやボタン、圧力板などが信号源です。
信号受けとは、レッドストーン回路から信号を受け取ることで、何らかの動作をするアイテムです。例えば、扉やピストン、ランタンなどが信号受けです。
レッドストーンダストを使って、信号源と信号受けをつなぐことで、レッドストーン回路を作ることができます。
このように、コマンドブロックやレッドストーン回路を使って、ゲーム内の動作を制御することで、マインクラフトの世界を自分の思い通りに変えることができます。また、コマンドの構文やレッドストーンの仕組みなどを学ぶことで、プログラミングの基本的な概念や文法、ロジックなどを学ぶことができます。
③教育版マインクラフトで使えるプログラミング言語やツールの紹介
教育版マインクラフトでプログラミングを学ぶ方法として、Code Builderやコマンドブロックやレッドストーン回路を紹介しましたが、それ以外にも、教育版マインクラフトで使えるプログラミング言語やツールがあります。ここでは、その中からいくつかを紹介します。
- JavaScript: テキストベースのコーディングができるプログラミング言語。教育版マインクラフトでは、JavaScriptのコードを実行することで、ゲーム内のオブジェクトやイベントに影響を与えることができる。Code BuilderのMakeCodeやTynkerでJavaScriptを使うことができる。
- Blockly: ブロックベースのコーディングができるプログラミング言語。Googleが開発したもので、ブロックを組み合わせることでコードを作ることができる。Code BuilderのTynkerでBlocklyを使うことができる。
- Code Kingdoms: ブロックベースとテキストベースのコーディングができるツール。Code Kingdoms社が開発したもので、JavaScriptやLuaなどの言語をサポートしている。Code BuilderでCode Kingdomsを選択することで使うことができる。
- LearnToMod: ブロックベースとテキストベースのコーディングができるツール。ThoughtSTEM社が開発したもので、JavaScriptやPythonなどの言語をサポートしている。Code BuilderでLearnToModを選択することで使うことができる。
- Minecraft Hour of Code: ブロックベースのコーディングができるツール。Code.orgが提供するもので、マインクラフトのキャラクターやアイテムなどを使ってゲームを作ることができる。Code BuilderのCode.orgでMinecraft Hour of Codeを選択することで使うことができる。
このように、教育版マインクラフトで使えるプログラミング言語やツールは、様々なものがあります。自分の好みや目的に合わせて、適切なものを選んで、プログラミングを学んでみましょう。
5.教育版マインクラフトで協同学習を促進する方法
ここでは、教育版マインクラフトで協同学習を促進する方法について解説します。
①マルチプレイヤーモードでクラスメートと一緒に世界を作る
教育版マインクラフトでは、マルチプレイヤーモードという機能を使って、クラスメートと一緒に同じワールドに入ることができます。
マルチプレイヤーモードを使うには、教育版マインクラフトを起動し、ワールドを選択して入ると、画面の右上にあるマルチプレイヤーのアイコンをクリックします。
すると、マルチプレイヤーの設定画面が開き、ワールドを公開するかどうか、参加できる人数や範囲を設定することができます。
設定を完了したら、ワールドに入ると、クラスメートも同じワールドに参加することができます。参加したクラスメートは、画面の左上に表示されます。また、チャット機能を使って、クラスメートとコミュニケーションを取ることができます。
マルチプレイヤーモードでクラスメートと一緒に世界を作ることで、協同学習を促進することができます。
例えば、以下のような活動を行うことができます。
- テーマや目標を決めて、クラスメートと協力してブロックを使って建物や風景などを作る。作りながら、役割分担や相談、意見交換などを行う。
- クラスメートと競争して、時間や資材などの制限の中で、ブロックを使って建物や風景などを作る。作りながら、戦略や工夫、判断などを行う。
- クラスメートと交流して、自分や他の人が作ったワールドを見学したり、感想や質問をしたりする。見学しながら、観察や分析、評価などを行う。
このように、マルチプレイヤーモードでクラスメートと一緒に世界を作ることで、マインクラフトの世界を共有し、協力や競争や交流などの経験を通して、コミュニケーションや協働、批判的思考などのスキルを養うことができます。
②カメラやブック&クイルでゲーム内の作品や学習過程を記録する
教育版マインクラフトでは、カメラやブック&クイルというゲーム内のアイテムを使って、自分やクラスメートがゲーム内で作った作品や学習過程を記録することができます。
カメラとは、ゲーム内で写真を撮ることができるアイテムです。
ブック&クイルとは、ゲーム内で文章や絵を書くことができるアイテムです。
これらのアイテムを使うには、教育版マインクラフトの設定で、教育コンテンツを有効にする必要があります。教育コンテンツを有効にしたら、チャットで”/give @s camera”や”/give @s writable_book”と入力すると、カメラやブック&クイルを入手することができます。
カメラやブック&クイルを持った状態で右クリックすると、写真を撮ったり、文章や絵を書いたりすることができます。写真や文章や絵は、ポートフォリオという画面で確認することができます。ポートフォリオは、画面の右上にあるポートフォリオのアイコンをクリックすると開くことができます。
カメラやブック&クイルでゲーム内の作品や学習過程を記録することで、協同学習を促進することができます。例えば、以下のような活動を行うことができます。
- カメラを使って、自分やクラスメートがゲーム内で作った建物や風景などの作品を撮影する。撮影した写真は、ポートフォリオで整理したり、コメントを付けたりすることができる。
- ブック&クイルを使って、自分やクラスメートがゲーム内で行った学習活動の内容や目的や感想などを記録する。記録した文章や絵は、ポートフォリオで整理したり、コメントを付けたりすることができる。
- ポートフォリオを使って、自分やクラスメートがゲーム内で記録した写真や文章や絵を共有したり、閲覧したりすることができる。共有や閲覧を通して、作品や学習過程について、意見交換やフィードバックや評価などを行うことができる。
このように、カメラやブック&クイルでゲーム内の作品や学習過程を記録することで、マインクラフトの世界を記録し、共有し、反映することができます。また、記録や共有や反映の経験を通して、表現や理解、評価などのスキルを養うことができます。
③Microsoft TeamsやFlipgridと連携して評価やフィードバックを行う
教育版マインクラフトでは、Microsoft TeamsやFlipgridというオンラインツールと連携して、自分やクラスメートの作品や学習過程に対する評価やフィードバックを行うことができます。
Microsoft Teamsとは、マイクロソフトが提供するオンラインコラボレーションツールです。
Microsoft Teamsでは、チャットやビデオ会議、ファイル共有などの機能を使って、クラスメートや教師とコミュニケーションを取ることができます。
Flipgridとは、マイクロソフトが提供するオンラインビデオツールです。Flipgridでは、ビデオを撮影して投稿したり、他の人のビデオにコメントしたりすることができます。
これらのツールと教育版マインクラフトを連携するには、教育版マインクラフトの設定で、Microsoftアカウントでログインする必要があります。
Microsoftアカウントでログインしたら、教育版マインクラフトの画面の右上にあるMicrosoft TeamsやFlipgridのアイコンをクリックすると、それぞれのツールにアクセスすることができます。
Microsoft TeamsやFlipgridと教育版マインクラフトを連携して、評価やフィードバックを行うことで、協同学習を促進することができます。
例えば、以下のような活動を行うことができます。
- Microsoft Teamsを使って、自分やクラスメートがゲーム内で作った作品や学習過程をプレゼンテーションする。プレゼンテーションを通して、作品や学習過程について、説明や質疑応答などを行う。
- Flipgridを使って、自分やクラスメートがゲーム内で作った作品や学習過程に対する感想や意見や提案などをビデオで表現する。ビデオを通して、作品や学習過程について、評価やフィードバックや反論などを行う。
- Microsoft TeamsやFlipgridで作成したプレゼンテーションやビデオを、ポートフォリオに追加することで、自分やクラスメートの作品や学習過程の記録を充実させる。
このように、Microsoft TeamsやFlipgridと教育版マインクラフトを連携して、評価やフィードバックを行うことで、マインクラフトの世界を発表し、共感し、改善することができます。また、発表や共感や改善の経験を通して、表現や理解、評価などのスキルを養うことができます。
6.教育版マインクラフトの教育効果と特徴
ここでは、教育版マインクラフトの学習への応用とチームワークとコラボレーションの促進について紹介します。
①学習への応用
教育版マインクラフトは、様々な教科や学習領域に応用することができます。教育版マインクラフトが提供する学習体験の特長としては、以下のようなものが挙げられます。
- 探究型学習:教育版マインクラフトでは、生徒たちは自分で問題を見つけたり、仮説を立てたり、実験したり、解決策を考えたりすることができます。教師は、生徒たちの学習過程や成果を観察したり、フィードバックしたり、評価したりすることができます。探究型学習は、生徒たちの主体性や批判的思考力を育むことができます。
- プロジェクト学習:教育版マインクラフトでは、生徒たちは自分の興味や関心に基づいて、個人やグループでプロジェクトを行うことができます。プロジェクトのテーマや目標は、教師や生徒たちが協力して決めることができます。プロジェクト学習は、生徒たちの創造性やコミュニケーション力を高めることができます。
- ゲーミフィケーション:教育版マインクラフトでは、生徒たちはゲームの要素やルールを利用して、学習内容を楽しく理解したり、習得したりすることができます。教育版マインクラフトには、教育的なコンテンツやツールが豊富に用意されており、教師はそれらをカスタマイズしたり、組み合わせたりすることができます。ゲーミフィケーションは、生徒たちのモチベーションや参加意欲を高めることができます。
教育版マインクラフトは、教育課程への組み込みや教材開発にも活用されています。教育版マインクラフトの公式サイトでは、世界中の教師や教育者が作成した教育用のレッスンプランやワールドが無料で公開されており、ダウンロードして利用することができます。
また、教育版マインクラフトでは、教師や生徒たちが自分でオリジナルのレッスンプランやワールドを作成したり、共有したりすることもできます。教育版マインクラフトの教育用のレッスンプランやワールドは、様々な教科や学習領域に対応しており、例えば、以下のようなものがあります。
- 数学:教育版マインクラフトでは、生徒たちはブロックを使って、数や図形やパターンや比率などの概念を視覚的に表現したり、操作したりすることができます。例えば、「フラクタルの世界」というレッスンプランでは、生徒たちはフラクタルという自己相似性のある図形をマインクラフトで作成したり、観察したりすることができます。
- 理科:教育版マインクラフトでは、生徒たちは自然現象や科学的な原理や実験をマインクラフトで再現したり、体験したりすることができます。例えば、「火山の噴火」というレッスンプランでは、生徒たちは火山の構造や噴火のメカニズムをマインクラフトで学んだり、自分で火山を作って噴火させたりすることができます。
- 社会:教育版マインクラフトでは、生徒たちは歴史や地理や文化などのテーマをマインクラフトで探究したり、再現したりすることができます。例えば、「古代エジプトのピラミッド」というレッスンプランでは、生徒たちはピラミッドの建築や機能や歴史をマインクラフトで学んだり、自分でピラミッドを作ってみたりすることができます。
- 芸術:教育版マインクラフトでは、生徒たちは美術や音楽や文学などの芸術的な表現をマインクラフトで創作したり、鑑賞したりすることができます。例えば、「モネの睡蓮」というレッスンプランでは、生徒たちはモネの有名な絵画をマインクラフトで再現したり、自分で睡蓮の絵を描いたりすることができます。
教育版マインクラフトは、学習への応用において、多様な教育効果や特徴を持っています。教育版マインクラフトは、生徒たちにとって、学ぶことの楽しさや意義や可能性を感じさせることができる、魅力的な学習ツールです。
②チームワークとコラボレーション
教育版マインクラフトは、チームワークやコラボレーションを促進することができます。教育版マインクラフトがチームワークやコラボレーションを促進する方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- マルチプレイヤー:教育版マインクラフトでは、生徒たちは同じワールドで一緒に遊んだり、学んだりすることができます。教育版マインクラフトには、最大30人までのマルチプレイヤーが可能なオンラインモードと、最大10人までのマルチプレイヤーが可能なオフラインモードがあります。マルチプレイヤーでは、生徒たちは互いにコミュニケーションを取ったり、協力したり、競争したりすることができます。
- チャットとカメラ:教育版マインクラフトでは、生徒たちはチャット機能を使って、テキストや絵文字や画像や音声などでメッセージを送ったり、受け取ったりすることができます。チャット機能は、教師が管理したり、制限したりすることができます。また、教育版マインクラフトでは、生徒たちはカメラ機能を使って、ワールドのスクリーンショットを撮ったり、アルバムに保存したり、共有したりすることができます。カメラ機能は、生徒たちの学習過程や成果を記録したり、発表したりするのに役立ちます。
- コードビルダー:教育版マインクラフトでは、生徒たちはコードビルダーという機能を使って、プログラミングの基礎を学んだり、応用したりすることができます。コードビルダーでは、生徒たちはブロックベースやテキストベースのコードエディタを使って、マインクラフトのワールドに影響を与えるコードを書いたり、実行したりすることができます。コードビルダーでは、生徒たちはScratchやTynkerやMakeCodeなどの人気のあるプログラミングツールと連携することができます。コードビルダーは、生徒たちの論理的思考力や創造性や問題解決力を育むことができます。
7.教育版マインクラフトの教育課程の作成
ここでは、教育版マインクラフトの教育課程の作成について紹介します。
①カスタムワールドの作成
教育版マインクラフトでは、教育課程に合わせたワールドを作成することができます。ワールドとは、マインクラフトのゲーム内での世界のことです。
ワールドの作成には、以下のような方法があります。
- 既存のワールドを利用する:教育版マインクラフトの公式サイトでは、世界中の教師や教育者が作成した教育用のワールドが無料で公開されており、ダウンロードして利用することができます。教育用のワールドは、様々な教科や学習領域に対応しており、例えば、「古代エジプトのピラミッド」や「火山の噴火」や「モネの睡蓮」などのワールドがあります。既存のワールドを利用する場合は、教育課程に合わせて、ワールドの内容や設定を変更したり、追加したりすることができます。
- 新規にワールドを作成する:教育版マインクラフトでは、自分で新規にワールドを作成することもできます。新規にワールドを作成する場合は、ワールドのテーマや目的や難易度などを事前に決めることが重要です。また、ワールドの作成には、教育版マインクラフトに搭載されているワールドビルダーというツールを使うことができます。ワールドビルダーでは、ブロックやアイテムやエンティティなどの要素を自由に配置したり、削除したり、変更したりすることができます。
ワールドの作成において、以下のようなポイントに注意するとよいでしょう。
- 教育的な要素を盛り込む:教育版マインクラフトには、教育的な要素や機能が豊富に用意されています。例えば、ボードという機能では、ワールド内にテキストや画像や音声などのコンテンツを表示したり、リンクを貼ったりすることができます。また、NPCという機能では、ワールド内に人や動物などのキャラクターを配置したり、会話や課題を設定したりすることができます。さらに、コードビルダーという機能では、ワールド内にプログラミングの要素を導入したり、応用したりすることができます。これらの教育的な要素や機能をワールドに盛り込むことで、生徒たちの学習体験をより豊かで効果的なものにすることができます。
- ワールドの見た目や操作性に配慮する:教育版マインクラフトでは、ワールドの見た目や操作性にも配慮することができます。例えば、ワールドの設定という機能では、ワールドの時間や天候や難易度などの基本的な要素を変更したり、固定したりすることができます。また、ワールドの編集という機能では、ワールドの範囲や境界や座標などの詳細な要素を変更したり、制限したりすることができます。さらに、ワールドの共有という機能では、ワールドをオンラインやオフラインで他の人と共有したり、公開したりすることができます。これらのワールドの見た目や操作性に配慮することで、生徒たちの学習環境をより快適で安全なものにすることができます。
教育版マインクラフトでは、教育課程に合わせたカスタムワールドを作成することができます。カスタムワールドの作成は、教育版マインクラフトの魅力の一つです。カスタムワールドの作成には、既存のワールドを利用する方法と新規にワールドを作成する方法があります。ワールドの作成においては、教育的な要素を盛り込んだり、ワールドの見た目や操作性に配慮したりすることが重要です。
②学習課題の設計と適用
教育版マインクラフトでは、学習課題を設計したり、適用したりすることができます。学習課題とは、ワールド内で生徒たちに与える学習目標や課題や問題のことです。学習課題の設計と適用には、以下のような方法があります。
- 既存の学習課題を利用する:教育版マインクラフトの公式サイトでは、世界中の教師や教育者が作成した教育用のレッスンプランが無料で公開されており、ダウンロードして利用することができます。教育用のレッスンプランは、様々な教科や学習領域に対応しており、ワールドと学習課題がセットになっています。例えば、「フラクタルの世界」や「火山の噴火」や「モネの睡蓮」などのレッスンプランがあります。既存の学習課題を利用する場合は、教育課程に合わせて、学習課題の内容や難易度を変更したり、追加したりすることができます。
- 新規に学習課題を作成する:教育版マインクラフトでは、自分で新規に学習課題を作成することもできます。新規に学習課題を作成する場合は、学習課題の目標や内容や方法や評価などを事前に決めることが重要です。また、学習課題の作成には、教育版マインクラフトに搭載されているクラスルームというツールを使うことができます。クラスルームでは、教師は生徒たちのワールドへの参加や進捗や成果を管理したり、フィードバックしたり、評価したりすることができます。
学習課題の設計と適用において、以下のようなポイントに注意するとよいでしょう。
- 学習課題をゲーム内で明確にする:教育版マインクラフトでは、学習課題をゲーム内で明確にすることができます。例えば、ボードやNPCやチャットなどの機能を使って、学習課題の目標や内容や方法や期限などを生徒たちに伝えたり、確認したりすることができます。また、コードビルダーやコマンドブロックなどの機能を使って、学習課題の進行や完了や結果をゲーム内で表示したり、通知したりすることができます。これらの学習課題をゲーム内で明確にすることで、生徒たちの学習意欲や理解度や達成感を高めることができます。
- 学習課題を複数の教科に組み合わせる:教育版マインクラフトでは、学習課題を複数の教科に組み合わせることができます。例えば、「古代エジプトのピラミッド」の学習課題では、社会と数学と理科と芸術の教科を組み合わせることができます。社会では、古代エジプトの歴史や文化や宗教を学ぶことができます。数学では、ピラミッドの形や大きさや比率を計算したり、作図したりすることができます。理科では、ピラミッドの建築に使われた材料や技術や工程を調べたり、実験したりすることができます。芸術では、ピラミッドの内部や外観や装飾を観察したり、創作したりすることができます。これらの学習課題を複数の教科に組み合わせることで、生徒たちの学習内容の関連性や応用性を高めることができます。
教育版マインクラフトでは、学習課題を設計したり、適用したりすることができます。学習課題の設計と適用は、教育版マインクラフトの魅力の一つです。学習課題の設計と適用には、既存の学習課題を利用する方法と新規に学習課題を作成する方法があります。学習課題の設計と適用においては、学習課題をゲーム内で明確にしたり、複数の教科に組み合わせたりすることが重要です。
8.教育版マインクラフトの活用事例
ここでは、教育版マインクラフトの学校や教育機関での実践事例を紹介します。
①学校や教育機関での実践事例の紹介
教育版マインクラフトは、世界中の多くの学校や教育機関で実践されています。教育版マインクラフトの公式サイトでは、教育版マインクラフトの活用事例を紹介するブログやビデオやポッドキャストが公開されており、参考にすることができます。
教育版マインクラフトの活用事例は、様々な教科や学習領域や年齢層に対応しており、例えば、以下のようなものがあります。
- 数学:アメリカのニューヨーク州にあるハイランドフォールズ中学校では、教育版マインクラフトを使って、数学の授業を行っています。教育版マインクラフトでは、生徒たちはブロックを使って、数や図形やパターンや比率などの概念を視覚的に表現したり、操作したりすることができます。
- 理科:イギリスのロンドンにあるハリス・アカデミー・ベッキナムでは、教育版マインクラフトを使って、理科の授業を行っています。教育版マインクラフトでは、生徒たちは自然現象や科学的な原理や実験をマインクラフトで再現したり、体験したりすることができます。生徒たちは、教育版マインクラフトで理科の問題を解いたり、自分で理科のワールドを作ったりします。
- 社会:オーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるノース・シドニー・ボーイズ高校では、教育版マインクラフトを使って、社会の授業を行っています。教育版マインクラフトでは、生徒たちは歴史や地理や文化などのテーマをマインクラフトで探究したり、再現したりすることができます。生徒たちは、教育版マインクラフトで社会の問題を解いたり、自分で社会のワールドを作ったりします。
- 芸術:カナダのオンタリオ州にあるハミルトン・ウェントワース教育局では、教育版マインクラフトを使って、芸術の授業を行っています。教育版マインクラフトでは、生徒たちは美術や音楽や文学などの芸術的な表現をマインクラフトで創作したり、鑑賞したりすることができます。
②教育版の導入によって得られた成果や生徒のフィードバック
教育版マインクラフトを導入した学校や教育機関では、教育版の導入によって得られた成果や生徒のフィードバックが報告されています。
教育版マインクラフトの導入によって得られた成果や生徒のフィードバックは、以下のようなものがあります。
- 成績の向上:教育版マインクラフトを導入した学校や教育機関では、教育版の導入によって、生徒たちの成績が向上したという報告があります。例えば、アメリカのニューヨーク州にあるハイランドフォールズ中学校では、教育版マインクラフトを使った数学の授業を行った結果、生徒たちの数学のテストの平均点が15%も上昇したという報告があります。また、イギリスのロンドンにあるハリス・アカデミー・ベッキナムでは、教育版マインクラフトを使った理科の授業を行った結果、生徒たちの理科のテストの合格率が20%も上昇したという報告があります。これらの報告は、教育版マインクラフトが生徒たちの学習成果にポジティブな影響を与えることを示しています。
- モチベーションの向上:教育版マインクラフトを導入した学校や教育機関では、教育版の導入によって、生徒たちのモチベーションが向上したという報告があります。例えば、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるノース・シドニー・ボーイズ高校では、教育版マインクラフトを使った社会の授業を行った結果、生徒たちの社会への関心や参加意欲が高まったという報告があります。また、カナダのオンタリオ州にあるハミルトン・ウェントワース教育局では、教育版マインクラフトを使った芸術の授業を行った結果、生徒たちの芸術への情熱や自信が増したという報告があります。これらの報告は、教育版マインクラフトが生徒たちの学習意欲や自己表現にポジティブな影響を与えることを示しています。
- フィードバックの肯定性:教育版マインクラフトを導入した学校や教育機関では、教育版の導入によって、生徒たちからのフィードバックが肯定的だったという報告があります。例えば、アメリカのニューヨーク州にあるハイランドフォールズ中学校では、教育版マインクラフトを使った数学の授業に対して、生徒たちから「楽しかった」「わかりやすかった」「やりがいがあった」などの感想が寄せられたという報告があります。また、イギリスのロンドンにあるハリス・アカデミー・ベッキナムでは、教育版マインクラフトを使った理科の授業に対して、生徒たちから「興味深かった」「やりたいことができた」「新しいことが学べた」などの感想が寄せられたという報告があります。これらの報告は、教育版マインクラフトが生徒たちの学習満足度にポジティブな影響を与えることを示しています。
教育版マインクラフトは、学校や教育機関での活用事例が増えています。教育版マインクラフトの活用事例は、様々な教科や学習領域や年齢層に対応しており、教育版の導入によって得られた成果や生徒のフィードバックが報告されています。教育版マインクラフトに興味のある方は、ぜひ一度試してみてください。
おわりに
教育版マインクラフトは、ゲームを通じてプログラミングや協働学習などの21世紀型スキルを楽しく学ぶことができる教育ツールです。
教育版マインクラフトを使って、創造性や問題解決能力、コミュニケーション能力などを高めましょう。
教育版マインクラフトの詳細やダウンロード方法は、公式サイトをご覧ください。