記事内に広告が含まれています。

日本の異常気象とは?原因と影響、対策について解説

日本の異常気象とは?原因と影響、対策について解説 学び

日本では近年、台風や大雨、洪水、土砂災害などの自然災害が多発しています。

また、猛暑や寒波などの極端な気温変化も頻繁に起こっています。

これらの現象は、異常気象と呼ばれるもので、気候変動や地球温暖化の影響を受けています。

この記事では、日本の異常気象の特徴と原因、そしてその影響と対策について詳しく解説します。

1.異常気象とは何か?定義

異常気象とは、一般的には、平年の気象状況と比べて極端に高いか低いか、あるいは異なる種類の気象現象が発生することを指します。

しかし、異常気象という言葉には、厳密な定義や基準がありません。

気象学的には、統計的に有意なほどの偏りや変化がある場合に異常気象と判断されますが、その判断基準は地域や時期によって異なります。

また、社会的には、人々の生活や経済に影響を与えるほどの被害や不利益が生じる場合に異常気象と認識されますが、その影響の程度や感受性は人によって異なります。

2.日本の異常気象の特徴と原因

日本の異常気象の特徴と原因

ここでは、日本の異常気象の特徴と原因について詳しく解説します。

①日本の異常気象の特徴と統計

日本では、以下のような異常気象が観測されています。

  • 気温の異常:平年よりも高いか低いか、あるいは急激に変化すること。例えば、猛暑日(日最高気温が35℃以上)、真冬日(日最低気温が0℃以下)、冷夏(8月平均気温が20℃以下)、暖冬(12月〜2月平均気温が5℃以上)など。
  • 降水量の異常:平年よりも多いか少ないか、あるいは集中的に降ること。例えば、豪雨(1時間降水量が50mm以上)、大雪(24時間積雪量が30cm以上)、干ばつ(連続して降水量が少ない期間)、水不足(貯水率が低下する期間)など。
  • 風の異常:平年よりも強いか弱いか、あるいは方向が変わること。例えば、台風(中心付近で最大風速が17.2m/s以上)、竜巻(突発的に発生する強風)、暴風雪(強風と大雪が同時に発生する現象)、ヒートアイランド現象(都市部で気温が周辺より高くなる現象)など。
  • 雲や霧の異常:平年よりも多いか少ないか、あるいは形や色が変わること。例えば、雲海(山間部で雲が谷間を埋め尽くす現象)、スモッグ(大気汚染物質が混じった霧)。
  • 天文現象の異常:平年よりも頻繁に起こるか珍しいか、あるいは規模や影響が大きいこと。例えば、日食(月が太陽の前を通って太陽の一部または全部を隠す現象)、月食(地球が太陽と月の間に入って月の一部または全部を影にする現象)、彗星(太陽系内を公転する氷や塵などからなる天体)、隕石(宇宙空間から地球に落下する岩石や金属などの塊)など。

これらの異常気象は、気象庁が統計を取り始めた1898年以降、様々な時期に発生していますが、近年ではその頻度や規模が増加傾向にあると言われています。

例えば、以下のような記録的な異常気象が観測されています。

2020年7月は、日本の月平均気温偏差が+1.91℃で、1898年の統計開始以降、7月として最も高い値となりました。北日本では、1946年の統計開始以降7月として1位の高温となりました。

2018年7月は、「平成30年7月豪雨」が発生し、西日本から東海地方を中心に広い範囲で数日間大雨が続きました。その総雨量は1982年以降の豪雨災害時の雨量と比べて極めて大きいものとなりました。

2014年11月は、「平成26年11月北海道大雪」が発生し、北海道では24時間積雪量や積雪深の記録を更新する大雪となりました。札幌市では、11月の積雪深が最大で118cmに達しました。

2011年3月11日は、「東北地方太平洋沖地震」が発生し、マグニチュード9.0という史上最大級の規模でした。この地震に伴う津波は、東北地方から関東地方にかけて甚大な被害をもたらしました。津波の高さは最大で40.1mに達しました。

②日本の異常気象の主な原因

日本の異常気象の原因は、自然のゆらぎや人間活動によるものがあります。

自然のゆらぎとは、偏西風やモンスーン、ブロッキング高気圧などの季節や時期で自然に起こりうる気象のことです。

これらは昔から起こっている自然現象で、様々な要素が重なって異常気象となるため、予測と対策が難しいのが現状です。

人間活動による原因とは、温室効果ガスやエアロゾルなどの排出によって地球温暖化や気候変動を引き起こすことです。

これらは長期的に気温や降水量などの平均的な気候を変化させるだけでなく、極端な気象現象の発生確率や強度を増加させる可能性があります。

日本では、以下のような温室効果ガスやエアロゾルの排出量が増加しています。

  • 二酸化炭素(CO2):2019年の日本のCO2排出量は約11億トンで、世界第5位の排出国です。1990年から2019年までの期間で、日本のCO2排出量は約1.4%増加しました。
  • メタン(CH4):2019年の日本のCH4排出量は約3,600万トンで、世界第25位の排出国です。1990年から2019年までの期間で、日本のCH4排出量は約8.7%減少しました。
  • 亜酸化窒素(N2O):2019年の日本のN2O排出量は約1,100万トンで、世界第13位の排出国です。1990年から2019年までの期間で、日本のN2O排出量は約0.6%増加しました。
  • フロン類(HFCs, PFCs, SF6, NF3):2019年の日本のフロン類排出量は約1,300万トンで、世界第4位の排出国です。1990年から2019年までの期間で、日本のフロン類排出量は約1,800%増加しました。
  • エアロゾル:エアロゾルとは、大気中に浮遊する微小な固体や液体の粒子のことです。エアロゾルには自然由来のものと人工由来のものがありますが、人工由来のエアロゾルは主に燃焼活動や工業活動などによって発生します。エアロゾルには、温室効果ガスとは逆に地球を冷やす効果があるものもありますが、その影響は不確実で不均一です。また、エアロゾルは大気汚染や健康被害を引き起こすこともあります。

これらの温室効果ガスやエアロゾルは、地球全体や日本周辺の気候に影響を与えています。例えば、以下のような現象が観測されています。

  • 地球平均気温:1891年から2020年までの期間で、地球平均気温は約1.1℃上昇しました。特に近年ではその上昇傾向が顕著で、過去10年間(2011年〜2020年)は過去最も暖かい10年間となりました。
  • 日本平均気温:1898年から2020年までの期間で、日本平均気温は約1.5℃上昇しました。特に近年ではその上昇傾向が顕著で、過去10年間(2011年〜2020年)は過去最も暖かい10年間となりました。
  • 日本降水量:1898年から2020年までの期間で、日本降水量は約6%増加しました。特に近年ではその増加傾向が顕著で、過去10年間(2011年〜2020年)は過去最も多い降水量となりました。
  • 日本台風発生数:1951年から2020年までの期間で、日本台風発生数は約20%減少しました。しかし、その一方で、台風の強さや移動速度は増加傾向にあります。特に近年では、大型で強い台風が多く発生しています。

3.日本の異常気象の影響と対策

日本の異常気象の影響と対策

日本は四季がはっきりとした気候で、自然や文化に豊かな国です。

しかし、近年、地球温暖化によって気候が変化し、日本では異常気象が頻発しています。

例えば、猛暑や豪雨、台風などの自然災害が増えたり、雨不足や雪不足などの農業に影響する現象が起きたりしています。

これらの異常気象は、日本の自然や社会や経済や健康に様々な影響を与えています。ここでは、日本の異常気象の影響と対策について解説します。

①日本の異常気象の影響

自然への影響

日本の異常気象は、自然環境や生物多様性に大きな影響を与えています。例えば、以下のような現象が観測されています。

  • 猛暑や乾燥によって森林火災が発生し、森林や野生動物が被害を受ける。
  • 豪雨や洪水によって土砂崩れや河川汚染が起き、植物や動物の生息地が破壊される。
  • 台風や高潮によって海岸線が浸食されたり、サンゴ礁や海草藻場などの海洋生態系が損傷されたりする。
  • 雨不足や雪不足によって水資源が減少し、湿地や沼地などの水辺環境が乾燥する。
  • 気温上昇や降雪量減少によって氷河や雪氷地帯が縮小し、氷河湖や雪解け水などの水循環が変化する。
  • 気温上昇や海水温上昇によって植物や動物の分布域が変化し、在来種と外来種の競争や相互作用が変わる 。

これらの影響は、自然の美しさや恵みを失うだけでなく、生態系サービスと呼ばれる自然から得られる恩恵(例えば、水質浄化や土壌肥沃化など)も低下させる可能性があります。

また、自然災害は人間だけでなく動物たちも避難させる必要がありますが、その際には動物保護団体やボランティアなどと協力することが重要です。

社会への影響

日本の異常気象は、社会インフラや住宅・建築物などにも大きな影響を与えています。例えば、以下のような現象が起きています。

  • 猛暑や乾燥によって火災や火事の危険性が高まり、建物や施設が燃えたり、電力供給が不安定になったりする 。
  • 豪雨や洪水によって道路や橋梁などの交通インフラが冠水や崩壊し、交通機関や物流が混乱したり、孤立したりする 。
  • 台風や高潮によって港湾や空港などの物流インフラが損傷し、貿易や観光に影響を及ぼす 。
  • 雨不足や雪不足によって農業用水や上水道などの水資源が不足し、農作物の収量や品質が低下したり、給水制限や断水が発生したりする 。
  • 気温上昇や降雪量減少によって冬季スポーツや観光などの産業が衰退し、地域経済に打撃を与える 。
  • 気温上昇や海水温上昇によって感染症の媒介者となる蚊やダニなどの分布域が拡大し、デング熱や日本脳炎などの感染リスクが高まる 。

これらの影響は、日本の社会の安全や安定を脅かすだけでなく、生活の質や快適さも低下させる可能性があります。

また、自然災害は人命や財産を奪うだけでなく、心理的なストレスやトラウマを引き起こすこともあります。その際には、避難所や支援団体などで心のケアを受けることが重要です。

経済への影響

日本の異常気象は、経済活動や産業構造にも大きな影響を与えています。例えば、以下のような現象が起きています。

  • 猛暑や乾燥によってエアコンなどの冷房需要が増加し、電力消費量が増える一方、太陽光発電などの再生可能エネルギーの供給量が減少する 。
  • 豪雨や洪水によって工場や店舗などの生産・販売活動が停止したり、在庫や設備などの資産が損失したりする 。
  • 台風や高潮によって漁業や海産物加工業などの水産業が被害を受けたり、漁獲量や品質が低下したりする 。
  • 雨不足や雪不足によって農業や畜産業などの食料生産が困難になったり、食料価格が高騰したりする 。
  • 気温上昇や降雪量減少によってスキー場などのレジャー施設や観光地が集客力を失ったり、収入が減少したりする 。
  • 気温上昇や海水温上昇によって熱中症や食中毒などの健康被害が増加し、医療費や休業損失などの経済的負担が増える 。

これらの影響は、日本の経済成長や競争力を低下させるだけでなく、所得格差や貧困などの社会問題を深刻化させる可能性があります。

また、自然災害は保険や補償などの制度やサービスにも負担をかけることもあります。その際には、政府や企業などの関係機関と協力することが重要です。

②日本の異常気象への対策

日本の異常気象への対策は、個人・地域・国・国際のレベルで行われています。例えば、以下のような取り組みがあります。

個人レベル

個人レベルでは、以下のようなことができます。

  • 異常気象に関する情報を収集し、予防や対応の方法を学ぶ 。
  • 異常気象に備えて、非常用品や避難経路などを準備する 。
  • 異常気象が発生した場合は、安全確保や避難指示に従う 。
  • 異常気象による被害を受けた場合は、心身のケアや支援を受ける 。
  • 温室効果ガスやエアロゾルの排出量を減らすために、省エネや節水などのエコ活動を行う 。
  • 再生可能エネルギーや環境に優しい商品やサービスを利用する 。
  • 環境教育や啓発活動に参加する 。

地域レベル

地域レベルでは、以下のようなことができます。

  • 異常気象に関する情報共有や危機管理体制を整備する 。
  • 異常気象に備えて、防災計画や防災訓練などを実施する 。
  • 異常気象が発生した場合は、救助活動や支援活動などを行う 。
  • 異常気象による被害を受けた場合は、復旧活動や復興活動などを行う 。
  • 温室効果ガスやエアロゾルの排出量を減らすために、地域独自のエネルギー政策や環境政策を策定する 。
  • 再生可能エネルギーや環境に優しい技術や産業を導入する 。
  • 環境保護団体やボランティア団体などと連携する 。

国レベル

国レベルでは、以下のようなことができます。

  • 異常気象に関する観測や予測や分析を行う 。
  • 異常気象に備えて、法律や制度や予算などを整備する 。
  • 異常気象が発生した場合は、緊急事態宣言や災害対策本部などを設置する 。
  • 異常気象による被害を受けた場合は、補償や支援などを行う 。
  • 温室効果ガスやエアロゾルの排出量を減らすために、国際的な枠組みや目標に参加する 。
  • 再生可能エネルギーや環境に優しいイノベーションや産業を推進する 。
  • 環境教育や環境啓発などを行う 。

国際レベル

国際レベルでは、以下のようなことができます。

  • 異常気象に関する情報交換や協力体制を構築する 。
  • 異常気象に備えて、国際的な防災協定や協力プログラムなどを作成する 。
  • 異常気象が発生した場合は、国際的な救援活動や支援活動などを行う 。
  • 異常気象による被害を受けた場合は、国際的な復旧活動や復興活動などを行う 。
  • 温室効果ガスやエアロゾルの排出量を減らすために、国際的な枠組みや目標に合意する 。
  • 再生可能エネルギーや環境に優しい技術や産業の普及や共有を促進する 。
  • 環境保護団体やNGOなどと連携する 。

おわりに

日本は四季がはっきりしていると言われていますが、近年ではその特徴が失われつつあります。

異常気象は、私たちの生活や環境に大きな影響を与えています。

その原因や影響を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。

日本だけでなく、世界中で気候変動や地球温暖化に対する取り組みが求められています。

私たちは一人ひとりができることから始めて、未来のために行動しましょう。

学び
シェアする
眞鍋をフォローする
タイトルとURLをコピーしました