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ビジネス心理学とは~仕事に役立つ心理的スキルの基礎知識~

ビジネス心理学とは~仕事に役立つ心理的スキルの基礎知識~ ビジネス

ビジネスにおいて、心理学の知識は必須と言われています。

心理学は、人間の行動や思考、感情などを科学的に分析する学問で、ビジネスの現場では様々な場面で役立ちます。

しかし、心理学は広範な分野であり、すべてを網羅することは難しいです。そこで、この記事では、ビジネスにおいて特に役立つ心理学の分野を紹介します。

これらの知識を身につけることで、ビジネスでのパフォーマンスやコミュニケーション能力を高めることができるでしょう。

1.ビジネス心理学とは

ここでは、ビジネス心理学とは何かについて、分かりやすく解説していきます。

①ビジネスの問題解決に心理学を応用する学問である

ビジネス心理学とは、人間の感情や行動のメカニズムを科学的に研究する学問であり、ビジネスにおいても心理学のテクニックを駆使することでビジネスを良い方向に進めることができるという考え方です。

ビジネス心理学は、従来のカウンセリング的な心理学とは根本的に異なります。

それは、リーダーシップや企画発想、組織のチームワーク、人材開発、交渉・営業、顧客分析、広告効果などビジネスの場に応じた社員や顧客の心理が対象となるものです。

ビジネス心理学は、病を治す”ための心理学ではなく、ビジネスで成功するための“仕事力”を課題とする総合的な「心の科学」なのです。

②心理学や脳科学、行動経済学などの「心の科学」を統合して研究する学問である

ビジネス心理学は、心理学だけでなく、脳科学や行動経済学などの「心の科学」を統合して研究することで、人間の行動や判断に影響を与えるさまざまな要因を明らかにしようとします。

例えば、脳科学は人間の脳の構造や機能を解析することで、感情や記憶、注意力などのメカニズムを解明します。

これにより、人間がどのように情報を処理し、刺激に反応し、行動を選択するかがわかります。

また、行動経済学は経済学と心理学の融合から生まれた学問で、人間が経済的な意思決定をする際にどのような「不合理な行動」をするかを研究します。

これにより、人間がどのように価値や効用を評価し、選択肢やインセンティブに影響されるかがわかります。

ビジネス心理学は、これらの「心の科学」から得られた知見を応用して、ビジネス現場で起こるさまざまな問題や課題に対処する方法や技術を提供します。

③ビジネス心理検定などの資格も存在する

ビジネス心理学を身につけるためには、専門的な知識やスキルを習得する必要があります。そのために役立つ資格がビジネス心理検定です。

ビジネス心理検定は日本ビジネス心理学会が主催している民間資格で、マネジメントやマーケティングの心理スキルを実務に活かせるようになることを目指す試験です。

ビジネス心理検定には初級、中級、上級、上級特別の4つの検定級があります。さらに中級、上級、上級特別には経営心理・人事心理・営業心理・広告心理の4部門別に試験が行われます。

ビジネス心理検定を取得するメリットは、ビジネス心理の基礎知識や応用力を証明できることや、自己成長やキャリアアップに役立つことなどが挙げられます。

2.ビジネスに役立つ心理学の分野

ビジネスに役立つ心理学の分野

ここではビジネスに役立つ心理学の分野について紹介します。

心理学は人間の心や行動を科学的に研究する学問ですが、その中にはビジネスの現場で活用できる知識やテクニックがたくさんあります。

今回は、ビジネスに役立つ心理学の分野として、行動心理学、認知心理学、組織心理学の3つを取り上げて解説します。

①行動心理学

行動心理学とは、人間の行動や判断に影響を与える要因やメカニズムを研究する分野です。

人間は外部からの刺激や報酬、罰などによって自分の行動を変えたり、合わせたりします。

このような行動の変化や適応を理解することで、自分や他人の行動をコントロールしたり、予測したりすることができます。

行動心理学は、セールスや交渉などで有利に進めるためのテクニックが多くあります。例えば、

  • バンドワゴン効果:多くの人が支持しているものや流行っているものに対して、自分も欲しくなったり、賛成したりする傾向があること。これを利用して、「多くのお客様に選ばれている商品です」「この商品は今売り切れ間近です」などと言うことで、購買意欲を高めることができます。
  • フット・イン・ザ・ドア:小さな要求に応じてもらった後に、大きな要求をすると、応じてもらいやすくなること。これを利用して、「まずは無料でお試しいただけませんか」「少しでも興味があればお電話ください」などと言うことで、関係性を築いたり、コミットメントを得たりすることができます。
  • ドア・イン・ザ・フェイス:大きな要求を断られた後に、小さな要求をすると、応じてもらいやすくなること。これを利用して、「10万円の寄付をお願いします」「それでは1万円でもいかがですか」などと言うことで、相手の罪悪感や譲歩感を利用して合意に導くことができます。

②認知心理学

認知心理学とは、人間の知覚や記憶、思考などの認知プロセスを研究する分野です。人間は外界から入ってくる情報を加工したり、組み立てたり、解釈したりします。

このような認知活動は人間の行動や判断に大きく影響します。

認知心理学は、ブランディングや集客などで顧客の認知を操作するためのテクニックが多くあります。例えば、

  • プライミング効果:ある刺激に触れた後に、関連する刺激に対する反応が変化すること。これを利用して、「安全」「信頼」「高品質」などの言葉やイメージを提示することで、商品やサービスに対する評価を高めることができます。
  • アンカリング効果:最初に提示された情報に引きずられて、その後の判断が影響を受けること。これを利用して、「通常価格は10万円ですが、今なら5万円でお買い得です」「他社では20万円の商品ですが、当社では15万円でご提供します」などと言うことで、値引き感やお得感を演出することができます。
  • フレーミング効果:同じ情報でも表現の仕方によって、受け取り方や判断が変わること。これを利用して、「この商品は99%の確率で正常に動作します」「この商品は1%の確率で故障します」などと言うことで、商品の魅力やリスクを強調したり、和らげたりすることができます。

③組織心理学

組織心理学とは、組織内で働く人間の行動や態度、パフォーマンスなどを研究する分野です。人間は組織の中で様々な役割や関係性を持ち、目標や価値観に基づいて行動します。

このような組織内の人間関係や文化は組織の成果や発展に大きく影響します。

組織心理学は、マネジメントやリーダーシップなどで組織やチームの効率や効果を高めるためのテクニックが多くあります。例えば、

  • モチベーション理論:人間の行動を動機づける要因やプロセスを説明する理論。例えば、マズローの欲求段階説では、人間の欲求は生理的・安全・社会的・承認・自己実現の5段階に分けられ、低次の欲求が満たされると高次の欲求が生じるという仮説を提唱した。これを利用して、部下やメンバーの欲求レベルに応じて適切な報酬や評価を与えることで、モチベーションを向上させることができます。
  • ゴール設定理論:人間の行動は目標に向かって努力することで成り立つという理論。例えば、ロックとラサムスは、目標が明確・困難・合意されたものであればあるほど、パフォーマンスが高まるという仮説を提唱した。これを利用して、部下やメンバーに具体的かつ挑戦的な目標を共有し、フィードバックや支援を行うことで、パフォーマンスを向上させることができます。
  • チームビルディング:チーム内のコミュニケーションや協働を促進するための活動。例えば、タックマンは、チームが形成・紛争・統合・実行・解散の5つの段階を経て発展するというモデルを提唱した。これを利用して、チームの発展段階に応じて適切な役割分担やフィードバックや支援を行うことで、チームの効果を高めることができます。

おわりに

この記事では、ビジネス心理学とは何か、そしてビジネスに役立つ心理学の分野について紹介しました。

これらの知識を身につけることで、ビジネスでのパフォーマンスやコミュニケーション能力を高めることができるでしょう。

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