警備員の仕事には、夜間に施設や建物を警備する夜勤があります。
夜勤は給料が高くて魅力的に見えるかもしれませんが、実際には体力や精神力を消耗するきつい仕事です。
この記事では、警備員の夜勤について、施設警備員の仕事内容やメリット・デメリット、向いている人の特徴や体調管理の方法などを詳しく解説します。
夜勤の警備員に興味のある方や、夜勤の警備員として働いている方はぜひ参考にしてください。
1.施設警備員とは?未経験でもできる仕事
①業務内容
施設警備員とは、工場やオフィスビル、商業施設などの建物や敷地を警備する仕事です。主な業務内容は以下の通りです。
- 巡回: 施設内や周辺を定期的に歩いて回り、不審者や火災、盗難などの異常がないかを確認します。巡回の際には、専用の機器で巡回ポイントをタッチしたり、報告書を作成したりします。
- 受付: 施設の入り口で来訪者の身分確認や目的の確認を行います。必要に応じて、来訪者にバッジや鍵を渡したり、施設内の案内をしたりします。
- 監視: 施設内に設置された監視カメラやセンサーなどの機器を操作して、施設内の状況を監視します。異常が発生した場合は、現場に駆けつけたり、警察や消防などの関係機関に連絡したりします。
- その他: 施設の開閉や施錠、駐車場の管理、荷物の検査や配送、施設内の清掃など、施設の運営に関する業務も行います。
②活躍場所
施設警備員は、様々な種類の施設で活躍できます。例えば、以下のような施設があります。
- 工場: 製造業や物流業などの工場では、機械や資材、製品などの管理や保護が重要です。工場の警備員は、工場内の安全確保や防犯対策、火災予防などを行います。
- オフィスビル: 企業や官公庁などのオフィスビルでは、従業員や来訪者の管理や案内が重要です。オフィスビルの警備員は、受付や監視、巡回などを行います。
- 商業施設: ショッピングモールやデパートなどの商業施設では、お客様の安全や快適な買い物環境の提供が重要です。商業施設の警備員は、お客様の案内やトラブル対応、駐車場の管理などを行います。
③未経験でも始めやすいが、研修はある
施設警備員は、未経験でも始めやすい仕事です。
特別な資格や学歴は必要ありませんが、警備業法に基づいて、警備業務に従事する前に、警備業務に関する基礎的な知識や技能を身につけるための警備員養成講習を受ける必要があります。
この講習は、警備会社が主催する場合や、警備員養成講習機関が主催する場合があります。
講習の内容は、以下の通りです。
- 法令: 警備業法や刑法、民法など、警備員として知っておくべき法令について学びます。
- 警備業務: 巡回や受付、監視など、警備員の基本的な業務について学びます。
- 防犯技術: 防犯カメラやセンサーなどの機器の使い方や、防犯対策の方法について学びます。
- 応急処置: 火災や事故、犯罪などの緊急事態に対応する方法や、応急手当の方法について学びます。
- マナー: 警備員としての服装や言葉遣い、態度など、マナーについて学びます。
講習の期間は、通常は2日間で、合計20時間の授業を受けます。
講習の費用は、警備会社が負担する場合や、自己負担する場合があります。
自己負担する場合は、約2万円程度かかります。講習を修了すると、警備員養成講習修了証が発行されます。この証明書は、警備員として働くための必要条件です。
④気になる給料面
施設警備員の給料は、警備会社や勤務地、勤務時間、経験などによって異なりますが、平均的には、月給は20万円程度、時給は1,000円程度、夜勤手当は5,000円程度です。
夜勤手当は、夜間に働くことによる負担や危険を補償するための手当です。
夜勤手当は、警備会社や勤務時間によって異なりますが、一般的には、夜間の時間帯に働いた時間に対して、時給の25%から50%の割増が支払われます。
夜勤手当は、夜勤の警備員の給料の大きな割合を占めるため、夜勤の警備員は、昼勤の警備員よりも高収入を得られる可能性があります。
2.施設警備員として夜勤で働くメリットとデメリット
夜勤の施設警備員として働くことには、メリットとデメリットがあります。以下に、それぞれのポイントを紹介します。
①メリット
高収入を得られる
前述の通り、夜勤の警備員は、夜勤手当を含めて、昼勤の警備員よりも高収入を得られる可能性があります。
また、夜勤の警備員は、昼間の時間帯には他の仕事や副業をすることもできます。
これにより、さらに収入を増やすことができます。夜勤の警備員は、経済的に安定した生活を送ることができると言えるでしょう。
人間関係に悩むことが少ない
夜勤の警備員は、昼間の時間帯に比べて、施設内に人が少ないことが多いです。
また、夜勤の警備員は、同じシフトの仲間や上司とのコミュニケーションが主な人間関係になります。
これにより、人間関係に悩むことが少なくなります。夜勤の警備員は、自分のペースで仕事をすることができると言えるでしょう。
昼間の時間を自由に使える
夜勤の警備員は、昼間の時間を自由に使えるというメリットがあります。
昼間の時間には、趣味や勉強、家事や育児など、自分の好きなことをすることができます。
また、昼間の時間には、混雑や渋滞などのストレスを避けることができます。
夜勤の警備員は、自分の時間を有効に活用することができると言えるでしょう。
②デメリット
体調不良を起こしやすい
夜勤の警備員は、体調不良を起こしやすいというデメリットがあります。夜勤の警備員は、人間の本来の生活リズムと逆の時間帯に働くことになります。
これにより、睡眠不足や睡眠の質の低下、ホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下などが引き起こされます。
これらの状態は、疲労やストレスの蓄積、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、うつ病や不安障害などの精神疾患などの原因になります。夜勤の警備員は、体調管理に気を付ける必要があります。
トラブルに巻き込まれやすい
夜勤の警備員は、トラブルに巻き込まれやすいというデメリットがあります。
夜勤の警備員は、夜間に施設を警備することになりますが、夜間は、不審者や泥棒、放火犯などの犯罪者が活動しやすい時間帯です。
また、夜間は、灯りが少なくて視界が悪いことや、音が響きやすいことなど、警備員の仕事を難しくする要因が多くあります。
夜勤の警備員は、トラブルに遭遇した場合に、冷静に対処する能力や、危険を回避する判断力が求められます。
生活リズムが乱れやすい
夜勤の警備員は、生活リズムが乱れやすいというデメリットがあります。
夜勤の警備員は、昼間に寝て、夜間に働くことになりますが、これは、人間の本来の生活リズムと逆のパターンです。
人間の生活リズムは、日光や温度などの外的要因によって調整される体内時計という機能によって決まります。
体内時計は、昼間に活動して、夜間に休むというリズムに合わせて、睡眠や食欲、体温などの生理現象をコントロールします。
しかし、夜勤の警備員は、体内時計と逆のリズムで生活することになるため、体内時計が乱れてしまいます。
これにより、睡眠障害や食欲不振、体温の低下などの症状が現れます。夜勤の警備員は、生活リズムを整える工夫をする必要があります。
3.施設警備員として夜勤で働くポイントや注意点は?
夜勤の施設警備員として働く場合には、以下のようなポイントや注意点があります。
①休憩時間でも必ず休めるとは限らない
夜勤の施設警備員は、休憩時間が決まっている場合が多いですが、必ず休めるとは限りません。
施設内に異常が発生した場合や、緊急の連絡が入った場合など、休憩時間に仕事をすることが求められることがあります。
また、休憩時間に仮眠をとることができる場合もありますが、仮眠室がない場合や、仮眠室が混雑している場合など、仮眠をとることができない場合もあります。
夜勤の施設警備員は、休憩時間を有効に利用することができるとは限らないことを覚えておく必要があります。
②仮眠時間が給与に含まれるかは会社によって違う
夜勤の施設警備員は、仮眠時間が給与に含まれるかどうかは、警備会社によって違います。
仮眠時間が給与に含まれる場合は、仮眠時間も勤務時間としてカウントされます。
仮眠時間が給与に含まれない場合は、仮眠時間は勤務時間から除外されます。
仮眠時間が給与に含まれるかどうかは、就業規則や労働契約書などで確認することができます。
夜勤の施設警備員は、仮眠時間が給与に含まれるかどうかを把握しておく必要があります。
③信頼できる求人媒体で求人を探そう
夜勤の施設警備員の求人は、インターネットや新聞などの様々な媒体で見つけることができますが、中には、悪質な求人や詐欺的な求人も存在します。
例えば、以下のような求人に注意する必要があります。
- 給与や待遇が不明確な求人: 給与や待遇が明記されていない求人や、実際の給与や待遇が求人と異なる求人は、信頼できません。給与や待遇は、就業規則や労働契約書などで明確に確認することができます。
- 入社前に費用を請求する求人: 入社前に警備員養成講習の費用や制服代などの費用を請求する求人は、詐欺の可能性があります。入社前に費用を請求することは、警備業法に違反することです。費用は、入社後に給与から差し引くことができます。
- 過剰な勧誘や強制的な契約をする求人: 電話やメールなどで過剰な勧誘をする求人や、面接時に強制的に契約をさせる求人は、信頼できません。勧誘や契約は、自分の意思で行うことができます。契約をする前には、就業規則や労働契約書などをよく読んで、内容を理解することが大切です。
夜勤の施設警備員の求人を探す場合は、信頼できる求人媒体を利用することがおすすめです。例えば、以下のような求人媒体があります。
- 警備会社の公式サイト: 警備会社の公式サイトでは、警備会社の概要や施設警備員の仕事内容、給与や待遇などの詳細な情報を見ることができます。また、応募フォームや問い合わせ先なども掲載されています。
- 警備業界専門の求人サイト: 警備業界専門の求人サイトでは、様々な警備会社の求人情報を比較することができます。また、施設警備員の仕事に関するコラムやインタビューなども見ることができます。
- 警備員養成講習機関のサイト: 警備員養成講習機関のサイトでは、警備員養成講習を受けることができる警備会社の求人情報を確認することができます。また、警備員養成講習の内容や費用、スケジュールなども確認することができます。
④不安であれば大手の警備会社で働く
夜勤の施設警備員として働く場合には、不安であれば大手の警備会社で働くことがおすすめです。
大手の警備会社は、以下のようなメリットがあります。
- 信頼性が高い: 大手の警備会社は、長年の実績や経験があり、多くの施設やクライアントと契約しています。また、法令や規則に厳しく従っており、給与や待遇などのトラブルが少ないです。
- 教育や研修が充実している: 大手の警備会社は、警備員養成講習の費用を負担してくれる場合が多く、入社後も定期的に教育や研修を行っています。また、資格取得やキャリアアップの支援も行っています。
- 福利厚生や制度が充実している: 大手の警備会社は、社会保険や退職金などの福利厚生や、有給休暇や産休・育休などの制度が充実しています。また、社員旅行やレクリエーションなどのイベントも開催しています。
- 収入が高い: 正社員は、契約社員やアルバイトなどの有期雇用の社員よりも、給与や手当が高いことが多いです。また、正社員は、賞与や昇給などの機会も多くあります。
- キャリアアップがしやすい: 正社員は、契約社員やアルバイトなどの有期雇用の社員よりも、キャリアアップの機会が多いです。正社員は、警備会社の中で、管理職や専門職などのポジションに昇格することができます。また、正社員は、警備業界の資格や技能を取得することで、スキルや知識を高めることができます。
4.警備員の夜勤に向いている人の特徴とは?
警備員の夜勤に向いている人には、以下のような特徴があります。
①体力がある
警備員の夜勤は、体力を消耗する仕事です。夜勤の警備員は、長時間にわたって施設を巡回したり、監視したり、トラブルに対応したりします。
また、夜勤の警備員は、昼間に睡眠をとる必要がありますが、睡眠の質が低くなることもあります。
これらのことは、体力の低下や疲労の蓄積につながります。警備員の夜勤に向いている人は、体力がある人です。
体力がある人は、夜勤の警備員の仕事をこなすことができるだけでなく、体調管理もしやすいです。
②精神力が強い
警備員の夜勤は、精神力を消耗する仕事です。夜勤の警備員は、夜間に働くことによるストレスや不安を感じることがあります。
また、夜勤の警備員は、犯罪や事故などのトラブルに遭遇することがあります。これらのことは、精神力の低下や不安障害などの精神疾患につながります。
警備員の夜勤に向いている人は、精神力が強い人です。精神力が強い人は、夜勤の警備員の仕事に対処することができるだけでなく、メンタルヘルスも保つことができます。
③単調な仕事が苦にならない
警備員の夜勤は、単調な仕事です。夜勤の警備員は、同じ施設を何度も巡回したり、同じ画面を見続けたり、同じ報告書を作成したりします。
また、夜勤の警備員は、夜間に働くことによって、日常生活との乖離や孤独感を感じることがあります。これらのことは、仕事へのモチベーションの低下や退屈感につながります。
警備員の夜勤に向いている人は、単調な仕事が苦にならない人です。単調な仕事が苦にならない人は、夜勤の警備員の仕事に飽きることなく、自分のペースで仕事をすることができます。
5.警備員の夜勤の体調管理の方法とは?
警備員の夜勤の体調管理には、以下のような方法があります。
①睡眠時間を確保する
警備員の夜勤の体調管理の基本は、睡眠時間を確保することです。睡眠時間を確保することで、体力や精神力を回復することができます。
睡眠時間を確保するためには、以下のような工夫をすることがおすすめです。
- 仕事前に十分に睡眠をとる: 夜勤の警備員は、仕事前に十分に睡眠をとることが大切です。仕事前に睡眠をとることで、夜勤中の眠気や疲労を防ぐことができます。仕事前に睡眠をとるためには、仕事の前日に早めに寝ることや、仕事の当日に昼寝をすることなどが有効です。
- 仕事後に十分に睡眠をとる: 夜勤の警備員は、仕事後に十分に睡眠をとることも大切です。仕事後に睡眠をとることで、夜勤中に蓄積した疲労やストレスを解消することができます。仕事後に睡眠をとるためには、仕事が終わったらすぐに寝ることや、寝室を暗くして静かにすることなどが有効です。
②食事をバランスよく摂る
警備員の夜勤の体調管理の重要なポイントは、食事をバランスよく摂ることです。食事をバランスよく摂ることで、栄養やエネルギーを補給することができます。
食事をバランスよく摂るためには、以下のような工夫をすることがおすすめです。
- 主食、主菜、副菜のバランスをとる: 食事は、主食、主菜、副菜のバランスをとることが大切です。主食は、ご飯やパンなどの炭水化物で、エネルギー源となります。主菜は、肉や魚などのタンパク質で、筋肉や免疫力の維持に必要です。副菜は、野菜や果物などのビタミンやミネラルで、体の調子を整えます。主食、主菜、副菜のバランスをとることで、栄養のバランスをとることができます。
- 食事の時間を決める: 食事の時間を決めることも大切です。食事の時間を決めることも大切です。食事の時間を決めることで、体内時計を整えることができます。夜勤の警備員は、昼間に寝て、夜間に働くことになるため、食事の時間も逆転することになります。しかし、食事の時間を逆転させると、消化器官の働きが低下したり、胃腸の不調を引き起こしたりすることがあります。食事の時間を決めるためには、以下のような工夫をすることがおすすめです。
- 夕食は仕事前に摂る: 夜勤の警備員は、夕食を仕事前に摂ることが大切です。夕食を仕事前に摂ることで、夜勤中の空腹感や低血糖を防ぐことができます。夕食は、仕事の2時間から3時間前に摂ることが理想的です。夕食は、消化しやすくて栄養バランスの良いものを選ぶことがおすすめです。
- 仕事中は軽食を摂る: 夜勤の警備員は、仕事中に軽食を摂ることも大切です。仕事中に軽食を摂ることで、エネルギーを補給することができます。仕事中に軽食を摂るタイミングは、休憩時間や仮眠時間に合わせることがおすすめです。仕事中に軽食を摂るときは、消化しやすくてカロリーの低いものを選ぶことがおすすめです。
- 朝食は仕事後に摂る: 夜勤の警備員は、朝食を仕事後に摂ることも大切です。朝食を仕事後に摂ることで、睡眠の質を高めることができます。朝食は、仕事が終わってからすぐに摂ることが理想的です。朝食は、消化しやすくてリラックス効果のあるものを選ぶことがおすすめです。
おわりに
警備員の夜勤は、施設警備員の仕事内容やメリット・デメリット、向いている人の特徴や体調管理の方法などを知っておくことが大切です。
夜勤はきつい仕事ですが、高収入や人間関係の良さなども魅力的な点です。
自分の体力や性格に合わせて、夜勤の警備員として働くかどうかを判断してください。
夜勤の警備員として働く場合は、体調管理に気を付けて、安全に仕事をこなしてください。