近年、複業が注目されています。
複業とは、複数の仕事を並行して行う働き方で、副業とは異なり、どの仕事も本業として捉えます。
この働き方には、収入アップやスキルアップなどのメリットがありますが、時間的・労力的負担や法律上の制限などのデメリットもあります。
では、自分に合った複業はどうやって見つけるのでしょうか?この記事では、複業の種類や始め方について解説します。
1.副業と兼業と独立 複業の3つの種類
複業とは、複数の仕事を並行して行う働き方です。
しかし、複業には一様なものではありません。複業には、副業、兼業、独立という3つの種類があります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。ここでは、複業の3つの種類について詳しく解説します。
①副業とは?定義と特徴
副業とは、本業以外に行う仕事のことです。本業は会社員や公務員などの雇用形態であることが多く、副業はフリーランスや個人事業主などの自営業であることが多いです。
副業は、本業に対してサブ的な位置づけであり、収入や時間的な割合も少ないことが一般的です。
副業の特徴は以下の通りです。
- 収入を増やすことができる
- 本業に影響を与えない範囲で自由に選べる
- 本業に関連するスキルや知識を活かせる
- 本業に関係ない分野に挑戦できる
- 本業からの転職や独立の準備ができる
②兼業とは?定義と特徴
兼業とは、複数の雇用形態で働くことです。兼業は、会社員や公務員などの本業に加えて、他の会社や団体で働くことが多いです。
兼業は、副業と異なり、どの仕事も本業として捉えます。そのため、収入や時間的な割合も高いことが多いです。
兼業の特徴は以下の通りです。
- 収入を大幅に増やすことができる
- 複数の職場で経験や人脈を広げることができる
- 職能や専門性を高めることができる
- 職場や仕事内容によって刺激や変化を得ることができる
- 本業からの退職や解雇に備えることができる
③独立とは?定義と特徴
独立とは、自分自身で仕事を作り出し、運営することです。独立は、フリーランスや個人事業主などの自営業であることが多く、会社員や公務員などの雇用形態ではありません。
独立は、複数の仕事を並行して行う場合もありますが、それらもすべて自分の事業として捉えます。そのため、収入や時間的な割合も自分で決めることができます。
独立の特徴は以下の通りです。
- 自分の好きなことや得意なことで仕事ができる
- 自分のペースやスタイルで仕事ができる
- 自分の責任や判断で仕事ができる
- 自分の成果や評価に応じて収入が変わる
- 自分の夢や目標を実現できる
2.複業で収入アップ!メリットを最大限に活かすコツ
ここでは、複業で収入アップを目指すだけでなく、他のメリットも最大限に活かすコツを紹介します。
①収入源を増やす
複業の最大のメリットは、収入源を増やすことができることです。
本業だけでは不安定や不十分な収入に悩む人も多いでしょう。複業をすることで、本業以外にも収入を得ることができます。
さらに、複数の仕事を組み合わせることで、収入のバランスや安定性も向上させることができます。
収入源を増やすコツは以下の通りです。
- 自分のスキルや経験に合った仕事を選ぶ
- 自分の時間やエネルギーに合わせた仕事量やペースを決める
- 自分の価値や成果に見合った報酬を交渉する
- 自分の収入や支出を管理する
②リスクヘッジになる
複業のもう一つのメリットは、リスクヘッジになることです。本業だけに依存すると、本業が失われたり減ったりした場合に大きなダメージを受けます。
しかし、複業をすることで、本業以外にも収入源があるため、本業の変動に対して柔軟に対応することができます。
また、複数の仕事を行うことで、市場や需要の変化にも対応することができます。
リスクヘッジになるコツは以下の通りです。
- 本業と関連性の低い仕事を選ぶ
- 本業と競合しない仕事を選ぶ
- 本業と相補的な仕事を選ぶ
- 本業と同じくらいかそれ以上に熱心に取り組む
③スキルアップできる
複業のさらに一つのメリットは、スキルアップできることです。異なる分野や領域の仕事に取り組むことで、新しい知識や技術を身につけることができます。
また、自分の得意分野や興味分野を深めることもできます。スキルアップすることで、自分の価値や競争力を高めることができます。
スキルアップするコツは以下の通りです。
- 学びたいことや必要なことを明確にする
- 学習方法や資料・教材・コースなどを選ぶ
- 学習計画や目標を立てる
- 学習成果や進捗を評価する
④キャリアアップできる
複業の最後のメリットは、キャリアアップできることです。複業を通じて、自分のキャリアビジョンや目標を明確にすることができます。
また、自分のキャリアパスや選択肢を広げることができます。キャリアアップすることで、自分のやりがいや満足度を高めることができます。
キャリアアップするコツは以下の通りです。
- 自分の強みや弱みを分析する
- 自分の興味や関心を探求する
- 自分の適性や志向を確認する
- 自分のキャリアゴールやアクションプランを作成する
3.複業にも落とし穴あり!デメリットを最小限に抑える方法
複業には、収入アップやスキルアップなどのメリットがありますが、デメリットもあります。
複業には、法律上の制限や時間管理・自己管理の難しさ、人間関係の複雑さなどのデメリットがあります。
これらのデメリットを無視すると、複業が失敗に終わる可能性があります。ここでは、複業のデメリットを最小限に抑える方法を紹介します。
①法律上の制限に注意する
複業をする場合、法律上の制限に注意する必要があります。特に、会社員や公務員などの本業がある場合は、以下の点に気をつけましょう。
- 本業の就業規則や契約内容を確認する
- 本業の就業規則や契約内容によっては、複業が禁止されている場合や制限されている場合があります。例えば、競合会社で働くことや営業時間内に複業をすることなどが禁止されている場合があります。本業の就業規則や契約内容を確認し、違反しないようにしましょう。
- 所得税や住民税の申告をする
- 複業で収入を得た場合、所得税や住民税の申告が必要になります。特に、本業以外で年間20万円以上の収入を得た場合は、確定申告が必須です。また、本業と複業で別々の源泉徴収票を受け取った場合も、確定申告が必要です。所得税や住民税の申告は、期限内に正確に行いましょう。
②時間管理・自己管理を徹底する
複業をする場合、時間管理・自己管理を徹底する必要があります。特に、複数の仕事をバランスよくこなすためには、以下の点に気をつけましょう。
- 優先順位やスケジュールを決める
- 複数の仕事を並行して行うと、どれから手をつけるか迷ってしまうことがあります。そのため、優先順位やスケジュールを決めておくことが大切です。優先順位は、締め切りや重要度などに基づいて決めましょう。スケジュールは、本業と複業の時間配分や休憩時間などを考慮して決めましょう。
- 集中力やモチベーションを保つ
- 複数の仕事を並行して行うと、集中力やモチベーションが低下することがあります。そのため、集中力やモチベーションを保つ工夫をしましょう。集中力を保つためには、作業環境を整えたり、作業時間を区切ったり、休憩を取ったりすることが有効です。モチベーションを保つためには、目標や成果を明確にしたり、自分へのご褒美やフィードバックを設定したりすることが有効です。
③人間関係を円滑にする
複業をする場合、人間関係を円滑にする必要があります。特に、複数の職場でコミュニケーションや協力をするためには、以下の点に気をつけましょう。
- 本業と複業の関係を明確にする
- 本業と複業の関係を明確にすることが重要です。本業の上司や同僚に対しては、複業をしていることやその内容や影響などを正直に伝えましょう。複業のクライアントやパートナーに対しては、本業があることやそのスケジュールや連絡方法などを事前に伝えましょう。
- 信頼関係や協調関係を築く
- 信頼関係や協調関係を築くことが大切です。本業の上司や同僚に対しては、本業の仕事に対する責任感やプロ意識を示しましょう。複業のクライアントやパートナーに対しては、約束や契約を守り、品質や納期などに気を配りましょう。また、両方の職場で積極的にコミュニケーションを取り、相手の立場や感情を尊重しましょう。
4.複業初心者必見!自分に合った複業を始めるステップ
複業を始めるには、自分に合った複業を見つけることが重要です。では、自分に合った複業を見つけるためには、どのようなステップを踏むべきでしょうか?
ここでは、複業初心者に向けて、自分に合った複業を始めるステップを紹介します。
①自分の目的や強みを見つける
複業を始める前に、自分が何を目指しているか、何が得意か、何に興味があるかを考えましょう。これらの要素は、自分に合った複業を選ぶ際の基準となります。
例えば、以下のような質問に答えてみましょう。
- 複業で収入アップを目指す場合
- 本業の収入に満足していないか?
- 本業以外にも収入源が欲しいか?
- 収入の安定性や多様性を高めたいか?
- 自分の価値や成果に応じた報酬が欲しいか?
- 複業でスキルアップを目指す場合
- 本業で培ったスキルや知識を活かしたいか?
- 本業と関係ない分野に挑戦したいか?
- 学びたいことや必要なことがあるか?
- 自分の能力や可能性を広げたいか?
- 複業でキャリアアップを目指す場合
- 本業でキャリアチェンジや昇進の機会が少ないか?
- 本業以外にもキャリアオプションが欲しいか?
- 自分のキャリアビジョンや目標があるか?
- 自分のペースやスタイルで働きたいか?
これらの質問に答えることで、自分の目的や強みを明確にすることができます。また、自己分析ツールやキャリアカウンセラーなども利用するとより効果的です。
②複業の情報収集や募集を行う
自分の目的や強みに合った複業の情報収集や募集を行いましょう。
インターネットやSNS、雑誌や書籍などで複業の事例やノウハウを調べたり、複業者のコミュニティに参加したりすることが有効です。
また、自分から積極的に複業の提案や応募を行うことも大切です。
例えば、以下のような方法で情報収集や募集を行ってみましょう。
- 複業に関するブログやポッドキャストを読んだり聞いたりする
- 複業に関するセミナーやワークショップに参加する
- 複業に関する書籍や雑誌を読む
- 複業者のSNSやウェブサイトをフォローする
- 複業者のネットワークやコミュニティに参加する
- 複業の求人や案件を探す
- 自分のスキルやサービスを売り込む
これらの方法で情報収集や募集を行うことで、自分に合った複業の機会を見つけることができます。また、複業者と交流したり、相談したりすることも有益です。
③複業の契約や条件を確認する
複業の契約や条件を確認しましょう。報酬や期間、時間や場所、責任や義務など、複業に関するすべての事項を明確にしましょう。また、本業との兼ね合いや法律上の問題も考慮しましょう。
例えば、以下のような点に注意してみましょう。
- 報酬はどのように支払われるか?
- 報酬は時給や日給、月給、成果報酬などの形式で支払われます。支払い方法やタイミングも確認しましょう。また、源泉徴収や税金なども考慮しましょう。
- 期間はどのくらいか?
- 期間は短期的なものから長期的なものまで様々です。期間が決まっている場合は、その期限を守りましょう。期間が決まっていない場合は、更新や解約の条件を確認しましょう。
- 時間はどのくらいか?
- 時間は固定的なものから自由なものまで様々です。時間が決まっている場合は、その時間帯に仕事を行いましょう。時間が決まっていない場合は、自分のペースで仕事を行いましょう。ただし、本業とのバランスや休息も忘れないようにしましょう。
- 場所はどこか?
- 場所は自宅やオフィス、カフェなど様々です。場所が決まっている場合は、その場所に出向きましょう。場所が決まっていない場合は、自分の好きな場所で仕事を行いましょう。ただし、環境や設備も考慮しましょう。
- 責任や義務は何か?
- 責任や義務は仕事内容や契約内容によって異なります。責任や義務が明記されている場合は、それらを遵守しましょう。明記されていない場合は、相手と事前に確認しましょう。また、秘密保持や競業禁止なども注意することが重要です。
- 注意やトラブルを避ける
- 複業をする場合、注意やトラブルを避けることも必要です。特に、本業と複業の間で発生する可能性のある注意やトラブルには、以下のようなものがあります。
- 本業の業務に支障をきたす本業の上司や同僚との関係が悪化する本業と複業で情報漏洩や利益相反が起こる本業と複業で紛争や訴訟が起こる
- 本業を優先する
- 本業は複業の基盤です。本業を優先して、業務の質や量を落とさないようにしましょう。また、本業の上司や同僚に対しても、敬意や感謝を示し、信頼関係を保ちましょう。
- 複業を隠さない
- 複業を隠すと、不信感や疑惑を招くことがあります。複業をしていることやその内容や影響などを正直に伝えましょう。ただし、本業の就業規則や契約内容によっては、複業が禁止されている場合や制限されている場合があります。その場合は、複業を辞めるか、本業を変えるか、複業の内容を変えるかなどの対策を考えましょう。
- 複業に関するルールや倫理を守る
- 複業に関するルールや倫理を守ることが大切です。例えば、以下のようなことに気をつけましょう。
- 本業と複業で情報漏洩や利益相反が起こらないようにする
- 本業と複業で競合しないようにする
- 本業と複業で約束や契約を守る
- 本業と複業で相手に迷惑や損害を与えないようにする
- 複業に関するルールや倫理を守ることが大切です。例えば、以下のようなことに気をつけましょう。
- 複業をする場合、注意やトラブルを避けることも必要です。特に、本業と複業の間で発生する可能性のある注意やトラブルには、以下のようなものがあります。
おわりに
複業は、多様化する働き方の中で注目されている一つです。
自分の能力や興味に合わせて、複数の仕事を経験することで、充実感や達成感を得られるかもしれません。
しかし、複業にはメリットだけでなくデメリットもあります。
自分に合った働き方を見つけるために、複業の特徴や条件を理解しておくことが大切です。